今ふたたび、そばの味革命コラム

Column

真そばの味研究所

最良の実?・収穫完了

本日(11/29)坂祝町深萱のソバ畑の刈取りが終了しました。

昨年まで刈取りをして下さっていた方が・・・高齢となり、今年から郡上市でソバ栽培をしている農家さんにお願いできました。

今年も始まりました。
坂祝産ソバの23回目の収穫です。

深萱の里でソバの栽培を始めたのは、そば屋開店の2年前なので、今年で23回目となりました。
23年・・・色々ありました。
ボクとチャーボーの両親を全員亡くしました。
この11月には、義姉に先立たれたチャーボーの兄も・・・いよいよ次は我々の番?です。
我が家だけの事では無く、23年前に畑を貸して下さった方の多くも、亡くなったり・介護が必要となったり・施設に入られたり・・・。
当時でさえ、畑作業が出来なくて貸して下さっていたので、50歳だったボクが23年の年を重ねた事(加齢・老化)を理由に「ありがとうございました」と簡単には返却できない状況になっています。
そんな訳で、昨年迄刈取りをして下さった方が「いよいよ出来なくなった」と言われても何とか次の方を・・・と探しました。
相談をかけた郡上市の友人が「分かった。探したる。探せなかったらワシがやったる」と。
有り難い事です。
家業の土建業の他に「荒廃する農地をほっておけない」と、耕作放棄地を借りてソバや大豆を栽培する友人に依頼して下さり、坂祝町でのソバ栽培は継続出来る事となりました。
もし引き受けていただけなかったら「ごめんなさい、刈り取って下さる方が無くなったので・・・」と謝りながら畑をお返しする事も出来たのですが、ここでそば屋をさせていただける間は出来るところまでお役に立ちながら・・・の幸せを感じて行きたいと思っています。
郡上市の友人・岩出さん、岩出さんの同級生・瀬上さんに感謝です。
そして、昨年までの刈取りをして下さった富加町の石原さんも「出来る事はするよ」と、顔を出して下さり、乾燥調整だけはやって下さる事となりました。
本当に・・・有り難い事の連続です。

今年は、霜に5度もあてて、汚損粒化を防ぎ、
刈り取った直後は、天日干しです。
混入した「葉」や「茎」は殆ど有りません。

(風も無く・快晴で、刈取り日和でした)

さて・さて、こうして刈り取った今年の坂祝産ソバは・・・?。
期待出来ますよ。
と言っても、量はダメでした。
理由の一番は気候です。
種蒔きの時期が、雨・雨・雨・・・でかなり遅れ、期限ギリギリとなり、発芽直後も例年通りの大雨で浸水・腐ってしまい、時期的に蒔き直しは不可能で、早々に減収を覚悟しました。
更に・・・例年通り、満開直後にハスモンヨトウムシの発生で、葉はおろか花まで食べられてしまう被害です。
この被害面積は県道の南側・そば屋のある方(約3分の2)は、ほぼ全滅状態です(刈り取って貰いましたが、種の量にも至りませんでした)。
余談ですが、ハスモンヨトウムシは、隣接の草むらで卵を生んで侵入するので、外周に少量の農薬を撒くだけで防げると聞いているのですが、無農薬でやりたい!と、減収覚悟で続けています。
反対側(県道の北側)も同じ状態だったら、今年は蒔き直しが不可能だったので、来年用に残した種用分は確保できているので、刈取りを諦める状態でしたが、そばの里深萱ふ~どのそばの味に欠かせない材料を少しだけでも!と予定通り刈り取って貰いました。
害虫被害の無かった畑は、まずまずの収量を確保できました(一安心です)。
種蒔きが遅れたので、収穫時期も遅くなり、11月の最終月曜日まで延びたのは、23回目の栽培にして初めての事でした。
が、霜降も遅く、台風の上陸が無かった事が幸いし、倒伏が有りませんでした。
これらの好条件で、機械刈取りならではの利点、遅くまで刈り取ら無いので最後の最後・枯れる直前まで養分を吸い上げる事で、今年の実は、23年間の経験の中で、最高の状態(充実の実・夾雑物最小)でした。
また、初めての事ですが、刈取り直後の水分量も18%を示していました。
これは・・・期待出来そうです。
乾燥は、加熱を使わず自然風だけで!とお願いしていますが、来週(1週間後)の定休日には、希望水分量までに、十分仕上がると推測しています。

加熱せず、自然風のみ(時間がかかりますが)・乾燥です。

オットット・・・慌てないで下さいね。
「真そば流」を進めるそばDa迷人は、1つや2つ、否、10や20の手数を加えたところで、簡単には美味しいそば(自分好みの味)にはならないと考えているので、栽培にも「真そば流」を取り入れており、農家さん(この刈取りをして貰う方だけでは無く、2軒の契約栽培農家さんも含めて)に納めて貰った日から、自分の手で再調整を行います。
そんな訳で、今年の坂祝産蕎麦は・・・年内に登場する事はなさそうです。
余談ですが、良心的な蕎麦粉屋さんの組合では、内規で「収穫後2か月以内で少なくとも半分以上の新蕎麦を使って挽いた粉を“新蕎麦”と表示しよう」と決めています。
坂祝産の蕎麦も、これに当てはめれば(2か月以内)来年1月までは新蕎麦ですが、やっぱり、年が変わっては・・・妙な気分になりますので、新蕎麦表示・表現は無い事となります。
又、そばDa迷人は「新蕎麦」より「真そば」と心して取組んでいます。
そばを美味しくする・この刈取りを含む栽培から、製粉・手打ち・茹で・・・に幾つも幾つもの工夫と改良を加えた・そばの里深萱ふ~どだけのそばの味を楽しんでいただけたら幸せです。

その味は・・・今回の刈取りが継続可能となった出来事のように、幾つもの有り難いご理解とご協力を頂いて成り立っている事を再確認しています。
心して、更なる自分好みの美味しいそば作り、顔晴りま~す。

そばDa迷人拝

夢とそばを楽しむ会

Meeting to enjoy dreams & soba

そばで日本を健康に!&日本を真の先進国に!と楽しい夢を見る会です。
会長さんや会計さん…お偉いさんは存在しません。いるのはそばの里深萱ふ~どのオヤジ・そばDa迷人が務める“用務員”さんだけ。
とにかく楽しい夢を描きましょう。