今ふたたび、そばの味革命コラム

Column

真そばの味研究所

今年のソバは・・・驚きの早さ・2日と20時間で発芽!

激しい雷雨の雨間をぬって・・・ソバの種を蒔いて1週間が経過しました。
秋ソバの発芽は早い・・・と承知していましたが、今年はその認識をも上回る・播種後2日と20時間、つまり3日弱で芽を出して来ました。
3日を切る発芽を見たのは、そば屋のオヤジになる2年前のソバ栽培開始だったから・・・24年目にして最短での発芽です。
連日猛暑日で激しい雨を伴う雷?、今年のソバの種は何を感じて早く出揃ったのでしょう?・驚きです。
そして、7日目の昨日(定休日)に、3枚目の葉が出ているのを発見しました。
これもやっぱり少し早いかな?。
3つ葉の出現は、少しだけ・・・浸水に絶えられる様になってきたと思いますが、未だ未だ安心は出来ません。


発芽の双葉の次・3枚目の葉が出ています。
(播種後7日目です)

さてさて・・・一昨昨日と一昨日、そして昨日と3日間、あの連日の様に襲ってきた激しい雨(雷)がありませんでした。
猛暑は治まっていないので、畑は田圃の様にひび割れてきました。
これが播種直後だったら・・・発芽できないので、全面蒔き直しでした。
やっぱり未だ未だハラハラ・ドキドキです。
現場確認では、発芽直後の激しい雨(浸水)を心配していましたが、やっぱり・・・冠水し易い畑・4面が全滅です。
もっと多いと想定していたのですが、これで治まれば・・・?。
この4面は、このまま諦めるか(激しい雨が予想されるとしたら、再度の浸水で又全滅する畑の為です)・蒔き直すか!?、ギリギリまで検討してみます。
他の畑(残りの全部)でも、部分的に浸水したところは消えて無くなっていますが、何とか・・・被害率3割くらいで堪えてくれている様に思われました。
このまま成長してくれたら・・・何とか年間必要量は確保出来る?と、一喜気分です。


腐る様に消えて行くソバ(手前)と
腐って消えてしまった畑の乾燥した沼地部分

発芽時の冠水ばかりでは無く、ソバも農作物ですから、自然条件の影響を受けながら育ちます。
最後の最後まで、否、特にそばDa迷人の場合は美味しい・最高のソバ実を得る事を目指しているので、この先にも心配な事はありますが、先ずは今以上腐ってしまわない事を祈願しています。
※オットット・・・日本人特有の仏教家で神頼みもするから事実上の無宗教?、御利益は不透明ですね。

7日目の昨日は、毎年の事ですが、ソバの天敵害虫・ハスモンヨトウムシ対策をしました。


ハスモンヨトウムシ成虫

余談ですが、この対策、隣町では町全体で行っています。
ハスモンヨトウムシ被害はソバに限った事では無い、否、寧ろソバでやる人は殆ど無い現状で、これが発生すると、畑全体の葉っぱが一斉被害となってしまうためです。


 ハスモンヨトウムシ・トラップ
フェロモンで雄蛾を呼び込み、一網打尽に!

が、坂祝町内では・・・そばDa迷人一人だけで実施しています。
※この効果は、ソバ畑だけに限らないので、周辺の農家さん、喜んでくれているかなぁ?。
否、装置(トラップ)を見ても、「そば屋は何をやっとる?」が精々でしょうね。
24年間「有りがたや・我々にも御利益有り!」とは聞こえてきませんが、実質的な無農薬栽培(害の無いこのフェロモンも取扱は農薬の範疇です)!・たった一人で顔晴りま~す。


ハスモンヨトウムシ発生による大被害のソバ畑
フェロモントラップを付けていてもこんな年も珍しくありません。
(こんな時は、一人実施の限界を感じます)

ハスモンヨトウムシは、夜盗の名の由来通り、天敵(蜂や鳥)の活動する昼間は地中(落葉等)に隠れて、夜になると這い上がり、葉を食べて全滅させます。
数が多い時は・・・花や結実直後の青い実まで食べきってしまいます。


こいつです!・ハスモンヨトウムシの幼虫
昼は土に隠れて・夜に葉を食い荒らす

ソバ栽培を開始した当初、「ヨトウムシはソバ畑の中では無く、周辺の草むらに卵を産む。羽化した幼虫が周辺から畑に入ってくるから、農薬をほんの少し、外回りだけに撒いて(葉に掛けて)置くだけで効く(侵入直後に食べた毒で死ぬ」よ」と教えて貰いました。
ソバ栽培を開始した直後、ソバの試験栽培を開始した時で、そば屋の開店の前の事でした。
この時期に散布農薬を試してみましたが・・・やっぱり完全無農薬にこだわりたい気持ちが込み上げ虚しくなり、農薬(残留農薬が心配な)使用はこの時だけ!で、以後行っていません。
オット・・・尤も、ソバ栽培は、このハスモンヨトウムシとうどん粉病が気になる病害虫ですが、何しろ収益性が低い(前回の投稿で記した通り買取り単価が安く、収量も使用する種の良くて10倍・そばDa迷人の場合は倍から3倍程度)なので、殆どの農家さんも、農薬代等、ソバ栽培では経費を掛ける事が殆どありません。
施肥も、輪作の残肥に頼ることが殆どです。
そんな訳で、流通する蕎麦の実も無農薬が通常です。
ソバ栽培は、耕作放棄地対策には最適作物ですが、経済効果の悪い作物なので、経費を掛ける事は出来無いのが現状です。

閑話休題
秋ソバは、例年なら播種後4日で発芽しすくすく育って20日を過ぎると咲き始め、直に満開となって実り始めて・・・75日(播種後)もすれば刈取り時期を迎えます。
そばDa迷人は、この刈取り時期について・・・産地に負けない自然条件を考えてみよう!と一般的な教えに背き真そば流・ソバ栽培編を考えました。
これは、近年の手打ちそば屋さんに好評となっているそばの見た目を良くする・早刈り(グリーン色)を行わない、つまりじっくり(茎が枯れるまで)ソバを完熟させる・真逆な方法です。
完熟こそ最善!の信念で、見た目では無く、味はこちらが美味しい!と自負しています。
詳細は、今のところ、真そば流の企業秘密とさせ貰いますが、多くの手打ちそば屋さんの希望に逆行するソバ栽培方法で収穫した坂祝産蕎麦の醸す味を、自分の口で試していただけたら幸せです。
もう一つ真そば流ソバ栽培編で、ソバ栽培のタブーとされて来た事に挑戦しているのは、「ソバは、霜に当たると脱粒が始まる(収量が減る)から、その前に刈り取れ」の教えに反し、敢て霜に当て・時には2度3度の霜降を迎えてから刈り取って貰っています。
貴重な体験で得たその理由も・・・先ずは、企業秘密とさせてください。
こんな、誰もやっていない栽培方法の蕎麦を使い、その持ち味が発揮される様に真そば流技法で打ったそばの味を、是非是非・試してやって下さい。
違いを感じていただけたら、幸せです。

先ずは、あと数日、雨で冠水しない事と、実りが進んでからの台風等による倒伏の無い事を念じて行きます。

台風での倒壊ソバ
蒔き直しも出来ず・全滅です。

そうそう・・・今年は、この先の雨で全面蒔き直しとなる時は、そば打ち用の蕎麦の実を種に使う事となるので・・・臨時休業がある?やも知れません。
※もう一つ真そば流ソバ栽培編の奥義です。
栽培用の蕎麦の実(種)は、石抜き作業で出た比重の一番重い実(充実した物)を選んで使用しています。

石抜き&磨きの再調整風景
厳寒の時期に1年間必要な全量行います。
一番充実した実が・・・種用に回ります。

年々・・・良い実が収穫できる様にする工夫です。
蒔き直しの時は、この実は使い果たしているので、そば打ち用の実を使用します。
そこまで踏んで、来る年に備えますので・・・その時は、ご了承下さい。
この件も含め、ソバの花の満開や収穫時の状況について、ホームページのお知らせ欄に記載して行きます。
宜しくお願いします。
そばDa迷人(そばDa迷人)

追記
8月最終定休日2日目の今朝、台風の進路の心配はあるものの、当初の2週間予報で明日から当分雨続きだったものが、雨無しの予報(本日までの4日間も雷雨はありません)となりました。
この為、ならば!っと、全滅していた4面に、蒔き直しを行いました。
畑地の中には、十分な湿り気がありましたので、4日もすれば芽を出してくれるでしょう。
そして・・・ゲリラ豪雨が無ければ、ここも期待出来るはず?。
取りあえず、やる事をやリ終えたので、心配な台風、様子を見ます。
夜になって・・・トリプル襲来の次、南の海上には12号を伺う雲が出来たと。
出来る事をやって・・・兎に角・成り行き任せです。
顔晴ります・楽しみます。

夢とそばを楽しむ会

Meeting to enjoy dreams & soba

そばで日本を健康に!&日本を真の先進国に!と楽しい夢を見る会です。
会長さんや会計さん…お偉いさんは存在しません。いるのはそばの里深萱ふ~どのオヤジ・そばDa迷人が務める“用務員”さんだけ。
とにかく楽しい夢を描きましょう。