1月、恒例の冬休みを利用して、今年は東京へ・・・そば研修旅行!と銘打って来ています。
これを記し始めた本日は、その6日目、早くも後半に突入しています。
先ずは、初日から4日目までの備忘録です。
そば研修!と言っているのに、到着直後のお昼は・・・天麩羅!。
いやぁ~美味しかった・・・!。
「江戸食文化の四天王」は、「うなぎ」、「すし」、「てんぷら」、「そば」ですね。
だから・・・なんていい訳を付けていますが、最高に美味しい天麩羅を先ず!と、昨年の上京時に紹介してもらった、エビの味に感動した江戸前天麩羅の技法を受け継ぐお店に。
1年ぶりの再訪を果たしました。
八重洲の「天扶良 だぼ鯊(中央区3-3-14)」さんです。
天扶良 だぼ鯊(中央区3-3-14)
そばと天麩羅!欠かせない取り合わせですが、これだけ美味しい天麩羅を食べると、やっぱり、天麩羅は天麩羅屋さんで食べたくなります。
天麩羅を出さないそば屋のオヤジの泣き事と取られそうですが、上京の機会がありましたら、是非、東京駅・八重洲口から歩いて6分のところ、行ってみて下さい。
食べ具合いを見て、次を揚げてもらえるし、なんと言っても生きた“車エビ”が甘~い!。
お愛想をして出てきた直後に、又、暖簾をくぐりたくなっています。
昼も予約が出来ます。
ホテルに着きました。
ロービーでくつろいで、「ウナギ、行く?」。
「う・う・う・う~ん、てんぷらの後は、ちょっと重い」。
「じゃぁ、元気残ってたら…そば屋さんに行こうか?」。
「その方がいいなぁ~。どこにしようかねぇ?」。
「きぬたやさんからさぁ、東京で1番2番と名高い店には、是非行ってみて下さと教えてもらった店があるよ」。
「どこ?、近いの?」。
「近いと思うけど、2時間も待ったら入れる…と聞いた店に行ってみない?」
こんな会話をして、超有名店に、玄関で待つ事を覚悟して出かけました。
スマホのナビを頼りに…着いた所は、一般住宅を改装した感じのお店でした。
ミシュランの星の常連で、明治神宮前の玉笑(たまわらい・渋谷区神宮前5-23-3)さんです。
玉笑(渋谷区神宮前5-23-3)
どれほどでしょう…?、30分も待った感じではありませんでした。
ソバの栽培から手掛け、手引きの石臼で、少量手打ち。
店員さんは、黒尽くし…間違いなく、ミシュラン好みの店づくりです。
一品料理と少量のそば。
高級感たっぷりです。
修業経験があるからこそ、なせる業だなぁ~と、先ずは雰囲気を楽しませてもらいました。
きぬたやさん、そばとともに、奥様の接客をべた褒めだったので、帰りがけに、見送りに来てくださった大将に「どちらの方が奥様ですか?」と聞くと「家内は、ここにはいません。半笑と言うカウンターだけの店を出したので、そちらに行っています」と。
今年は、オリンピックイヤー、こうした店が、新しい江戸そばを作って行くのだろうなぁ~?と感じました。
発芽そば・予想に反して・美味しい!
2日目は…。
先ずは、発芽そばを…自分の口で試しに!
蕎麦の季刊誌「蕎麦春秋」で見て気になっていた「発芽そば・ゆき(文京区本郷1- 33- 7)」さんへ。
なぜ開店間もない、ゆきさんに決めたか?。
何と・なんと、週に1回・土曜日のお昼だけの営業で、この日に行かねば…なんです。
到着して、その理由が分かりました。
通常(㊐~㊎)は、「白木そば」の暖簾が掛かります。
つまり、白木そばさんの定休日に、居抜きで借りて「発芽そばゆき」が、毎週1回だけ誕生する訳です。
さて、この発芽そば考です。
玄蕎麦(蕎麦の実)は、梅雨時期以降、石臼に投入する前に、冷蔵庫から出して常温放置するだけで発芽が始まり、不味くなる経験をしています。
つまり、美味しいものでは無いだろうと思いながら出かけました。
ところが…、そばDa迷人の求める味とは違いますが、と明記しなければならない部分はありますが、予想に大きく反して、美味しい!んです。
ゆきさんの努力がうかがえます。
ゆきさん作成の「発芽そばの特徴」
この味を食べたら…発芽そばを試す人が増えてきますね。
そばDa迷人も、又いつか、次は、発芽そばもいける!との思いで試してみたくなりました。但し…、ゆきさんのお店、今年3月いっぱいで移転されるとか。
移転先がまだ、決定していないので…と。
それ以降に行かれるときは、新店舗の所在等をWEB検索して、お出かけ下さい。
何度来ても、口ばかりか心も満足
ここ(発芽そばゆきさん)から…今回の企画で、東京情報をもらったり、色んな相談をさせて頂いた国分寺の「きぬたや(国分寺市東元町3-19-34)」さんに「今日は営業ですか。遅くなりますが、構いませんか」とメールです。
「営業しています」と返事が。
なんとか、2時には間に合いそう…と出かけて行きました。
きぬたやさん、並み居るそば屋のオヤジの中で、更なる自分好みのそばの味を求めて食べ歩く、研修心ダントツ一番の方です。
常にテーマをもって、日本中のそばの味を、自らの口で…。
それが、そば作りに生かされています。
たった一人で店を切りもされているのに、石臼は5台!、玄蕎麦(剥き実を含む)の顔を見て、挽き方を変えるだけでは無く、最高の持ち味を引き出すために、使う蕎麦の実に合わせて石臼まで変えておられるのです。
そして、そばの食べ方は、お任せで5種類出てきます。。
産地別に供されます。
食べ終わると、最も気に入ったそばを、お代わりする事も可能です。
将来有望な若手そば屋さん(オット既に名高い若手かな?)が、きぬたやさんのそばづくりを参考に学んでいる事が頷けます。
食べ比べ、これ以上の試し方は無いですね。
出てくる5つ、みんな、味が違います。
お口も心も…幸せ・幸せ(きぬたやさん撮影)
そば好きの方へ、上京の機会には、是非、訪ねて欲しい店です。
そばの蘊蓄にも、丁寧に答えて下さいます(凄い方です)。
但し…予約が無いと、自身がそばを食べに行かれますので、予約が必要です。
営業終了時間は15:00とありました。
大感動の潮さん・そば屋の鏡!
オット・ト・・・長居しすぎてしまった!完璧に閉店の15:00を回り、17:00迄過ぎてしまっているでは無いですか…。
帰ろうとすると、「長谷川さん、案内したいところもあるし、駅まで送ります」と、雨降りの中を…お鷹の道(徳川御三家の鷹狩りの場)・湧水群を通って着いたのが、なんとそば屋さんではありませんか。
余談ですが、お鷹の道、東京にこんなところがあるか!?と感動スポットです。
閑話休題、着いたのは、「潮(国分寺市西元町2-18-11)」さんと言う手打ちそば屋さんでした。
勿論、ボク等は初です。
昼にそば屋2軒で、夜もそば!、流石にそば研修旅行です。
そして…、潮さん、きぬたやさんが紹介したいはずです、最高のそば屋さんでした。
元々は和食料理人さん、が始められたそば屋さんです。
数ある小鉢が美味い!!!!!!!し、兎に角・リーズナブル。
ボク等の上の壁メニューの金額に・ご注目!
更にビックリしたのは、器の多くが大将の手作りで金継ぎ(漆継ぎ)も。
陶芸の道には、奥様を早くに亡くされ、自分の手で骨壺を作りたかったのでこの道に…とかで、感動の尽きることがありません。
胸にジンジンと響きました。
そして…店内の至る所に木彫仏像が飾ってありました。
今は毎朝2時間、仏像作りを続けておられるとか。
ジンジンが…止まりません・堪りません。
きぬたやさん、潮さんも…亡き奥様の供養と、自分の長生きが、天国暮らしの最愛の人の気にかけさせてはならない!と自分を奮い立たたせておられる姿に、心底大感動です。
きぬたやさんの話ですが、躍進著しい若手そば屋さんが、技と理念の勉強に訪れているとか。
この味、この価格、真似の出来る人が増えたら、東京のそば食は、江戸時代のように、1日1食が実現します。
手がかかっていて…美味しい&お値打ち
国分寺には、「きぬたや」さん・「潮」さん、2軒の凄いそば屋さんがあります。
江戸食文化四天王、3つ目は「すし」を堪能
3日目は、江戸ソバリエサロンの新年会に参加させてもらいました。
ソバリエ(そばのソムリエ)ではないので資格無し…なのに、昨年(2019)の3月に、講師として参加させてもらった縁で参加させてもらいました。
総勢95名。
始まりました…1頭捌き
過去の開催で、2番目に多い数字とかで、半分以上が着席できないとのことでしたが、ここでもシルバー優先・60歳以上が着席となりました。
うぅ~ん、古希の老人は、やっぱり、最高齢参加者の位置だったでしょうね。
参加者の全員が、ソバリエ有資格者で、話は合います。
そして…始まりました。
マグロの一頭切です。
この企画を担当して下さった方のご実家が築地の魚河岸さんなので、開催場所を築地にして、この企画が盛り込まれました。
マグロの部位による食べ比べと、最後は、マグロを角切りにした「最高級ちらし寿司」りです。
満足・満足…やっぱり…、江戸食文化四天王(うなぎ、すし、てんぷら、そば)を東京で味わう…事・最高で~す。
残すは「うなぎ」!?。
なんとか、予定して、今回は全制覇を…狙っています。
清々しい若夫婦のそば屋さん
研修旅行4日目です。
先ず、真そば流の後継方法探しの一環として、事前連絡をした中で、唯一返事を頂いていた「東京すし和食専門学校」を表敬訪問しました。
連絡を下さった渡辺校長先生は、不在で、後日面談の予定を下さいました。
さぁ~時間が出来ました。そば屋さん行きです。
高校時代の同級生から「東京で会社を持っていた頃に通ったそば屋さんだが、とっても素敵な若夫婦がやっている。上京する機会があったら、是非行って…」と聞いていたので、新宿御苑前まで足を伸ばしました。
「富の蔵(新宿区新宿1-3-5)」さんです。
昼の忙しい時間帯に来てしまいました。
またまた、江戸は天麩羅!と調子の良い理由を付けて、天麩羅とミニカツ丼とそばの2色もり(ゆずきりと江戸そば)のランチセットを頼みました。
急いで…そばは食べてしまってから、シャッターです
勿論、礼儀として、そば屋のオヤジである事は、オーダーの時に名刺を出して告げ、友人の紹介である事とともに学びたい旨の依頼をしました。
紹介してくれた友人と随分親しかったのでしょう、帰る際に、女将さんと手を止めた大将が礼と感想を求めて来てくれました。
美味しかった事を「下手な手打ちそばより遙かに美味しい、一部機械仕込みですね」と言うと、驚かれた様子でした。
説明を続けました。
「一部機械によるそば麺づくりは、単純な手打ちより美味しくなることがあります。ここは、その良い事例だと感じました。ただ、機械は、人間の勝てない正確さが売りで、味も美味しくなる事があります。だが、手打ちには、更に美味しく出来る理由があるので、機械使用の場合は、これに負けない別な角度からも改良が必要です。現状に満足せず、更に研鑽を積んで下さいね」と、年の功で話しました。
週休1日でガンバル若いそば屋さん、健康には留意してね!と願わずにはいられませんでした。