これ!・な~に?。
(添付写真・ビニール袋の中の物です)
答えは「残念ながら、そばの里深萱ふ~どでは使えない挽きたての蕎麦粉」です。
緊急事態宣言明け後に、いつもの様に石臼で粉挽きをしましたが・・・何せ約1ヶ月半ぶりで、感が鈍っていた様で、行程を間違えてしまいました。
出来上がり粉の状態を確認して、「うぅん?・違うんじゃない??」と感じていたのです。
案の定・・・!、翌日の開店前の出来事です。
毎朝、営業開始の直前に、出来具合チェック(味見)をチャーボーがしてくれているのですが「今日の粉、昨日と違う?、この味じゃぁ!盛りでは出せんよ。うちの特長が出てないモン」と。
そんな訳で・・・挽いたばかりの蕎麦粉が大量処分となった訳です。
と言っても、不味い訳ではありません。
じゃあ・何?。
そばDa迷人と女将のチャーボーが、そばになった時の味(自分達好み)が満足出来ないだけなんです。
けど・・・(言い訳?・負け惜しみ?ですが)、食べに出た時に出合う一般的なそばより良い味が出ていますが、折角自分で栽培・石臼製粉をしているのに、思い通りの味が出せていない事に満足出来ないのです。
自家栽培も自家製粉も、手間暇掛けてまで何故やるのか!?、客受け狙いではありません。
最高の強みは、ここまでやれば自分の好みの味作りに執着出来る!からと考えています。
他に同じ味で満足出来るなら、買い求めた方が遥かに楽チンですが、残念ながら、今の味作りには、買い求め不可能で、同じ物には未だ出合っていません。
凡ミスで起こしてしまった今回の失敗は、大変ショックでしたが、大きな収穫もありました。
それは、粉挽き段階で(終わって)、ヒョッとしたら・・・と、チャーボーの試食後の審判を予測して、実はこの朝、手打ちそば業界(江戸流)の教えでタブーとする「挽きたて」の掟破りのそばを打っていたのです。
かって日本中のそばの味を格段に美味しく変えた江戸そば流では、そばは「三たて(挽きたて・打ちたて・茹でたて)」と教えています。
が、この日に、そばDa迷人は、敢えて三たての教えに背き、「挽き置き」?の蕎麦粉を使って、半分(盛りそばに必要予想量)のそばを打ちました。
8月26日に、「明日・27日から休んで下さい・・・」と言う要請(岐阜県の要請を坂祝町が伝達)だったので、26日・木曜日の朝は、いつもの様に粉を挽いていました。
8月27日から新型コロナの第5波による緊急事態宣言の休業要請で臨時休業に入ってしまったので、この蕎麦粉は、挽いた後37日間、冷蔵庫に眠っていた物なのです。
「良い粉はいつまで品質保持が出来るか?」、今回は37日間と言う強制実験となりました。
期待と不安が・・・。
チャーボーは・・・「こっち方が確実に美味しい・これなら出せる」と。
そば打ちを経験する者なら誰もが知る「三たて」の一角が崩れました。
37日間も経過した蕎麦粉が、昨日挽いた物より美味しいのです。
勿論、ボクも、お客様に出す前に試食しました。
チャーボーと同じ「挽き置き」の方が遙かに美味しいと(ボク等には別物と感じる程美味しく)感じました。
そして・・・嬉しかったのは、「コロナ禍で久し振りに来た・・・」と入って下さったお客様が、食べ終わって「ここのそばが一番美味いわ!、やっぱり他所とは味が違う」と言って下さいました。
挽きたてではない、挽いて37日も経過した挽き置き蕎麦粉を使用したそばを、我々と同じ様に、お客様も最高に美味しいと感じて下さったのです。
余談になりますが、そばの里深萱ふ~どは、県道からの導入(道案内)看板や店舗の看板に「手打ちそば」や「10割蕎麦」なる文字等・食欲をそそる言葉を、意識して一切使っていません。
看板は、シンプルに「そばの里」
また、店頭や店内に、そば打ち台や石臼等を展示?して(見せて)いません。
石臼やそば打ち場は、隠す訳ではありませんが、勝手に師と仰ぐ鍵山秀三郎先生(イエローハット創始者)の教え「見えないところで手を抜かず・誤魔化さない」の実践として、お客様からは見えないところに設置し、日々研鑽に勤めています。
専用の粉挽き場に鎮座する石臼と篩機・蕎麦専用の磨き機もここにあります。
ここで、食べ物の味は視覚・聴覚に訴えるのでは無く、味覚で判断して欲しいと念じて、そばの味作りに徹しています。
美味しいそばを作る「真そば流」の一工程(打つ!)。
突然の緊急事態宣言の休業要請で蕎麦粉が余り、休業中にそばを打ってボク等が食べればいいか・・・と保管した蕎麦粉ですが、自宅の仕事(耐震性不安の母屋の解体準備)が出来、そばを打つ事が出来なくなり、冷蔵庫で保管し、今回の粉挽きの失敗で、最高の実験が出来ました。
災い転じて福となす!。
今回の粉挽きの失敗からの「挽き置き」蕎麦粉使体験は、大きな収穫となりました。
大変な臨時休業でしたが、新型コロナ第5波による臨時休業は貴重な体験をくれた・・・と振り返っています。
但し・・・0℃近い冷蔵庫内での保管が条件だったろうなぁ~と推測しています。
因みに、このビニール袋に詰めた蕎麦粉は、趣味でそば打ちをする友人に「挽きたてだから、是非、10割で打ってみて・・・」と貰ってもらいました
江戸そば流が、「3たて」の中の「挽きたて」が条件と教える理由は、挽いた直後の打ち易さにあります。
新蕎麦ならずとも挽きたてであれば、「鉢」の作業の「水回し」を、加水ピッタリ状態で通過すれば、趣味のそば打ちを始めたばかりの人であっても、10割そばは、いとも簡単に打つことが出来ます。
因みに・・・そばDa迷人の美味しいそば作りを目指す・「真そば流」は、「そばは、切れ目を作りながら切れないように打つ!」です。
切れ目を作りながら・切れないように打つ!・真そば流そば打ちです。
美味しさを求めて、切れや易くて打ちずらいそば打ちを目指す「真そば流」そば作り、又一つ・・・緊急事態宣言の臨時休業で良い体験が出来ました。