今ふたたび、そばの味革命コラム

Column

真そばの味研究所

2年連続で・最高のソバの実!。日本の記録更新?。

そば屋のオヤジになる2年前に始めたソバ栽培だから・・・今年は24回目の収穫を終えました。

 あれ?・あれ!・あれ・あ・れ・れ・・・。
収穫の日に、今年も1等(穀物検査)は間違いないと思っていたのですが、その検査項目の中で最も重視している「容積重」が、今年も(2年連続で同数)「724g/L」と告げられました。
最高の出来!と喜びましたが、どうやらこれは・・・凄い事のようです。
福井県の発行した「ふくいのそばの話」(平成31年2月・福井ソバルネッサンス推進実行委員会)の6ページには「容積重:数値が大きいほど充実度が高い」と説明しています。
その中で、福井県産のソバの容積重は702g(北海道産の684gと比較して)と書かれています。
後ほど説明しますが、今話題の生成AI(マイクロソフトBard)で調べたところ、「ソバの容積重の最高記録は、平成30年産に青森県で検査されたもので、712.g/Lでした。これは、平成27年産から適用されているソバの農産物検査規格で定められている容積重の最高基準である650g/Lを大きく上回る記録です。」と答えてきました。
ここから、そばDa迷人と生成AIのやり取りは続きました。
余談ですが、生成AI、結構楽しく学べます。
残念ですが名高いチャットGTPは「お答えできません」に続き、関係機関に問い合わせを・・・と答えてきました。
有料契約への案内こそありませんでしたが、そう言いう事なんだろうなぁと理解しました。

 さてさて・・・容積重。


検査項目は「容積重」と「水分」と「被害粒」と「遺物」です。

 724g、昨年と全く同じ数値ですが今年は経験したことのない成長過程だったので、2年連続の最高値に、驚きと喜びです。
今年は、いつまでも青々として花も咲き続け、やっと涼しく・否寒くなった2週間で黒化しただけだったのに・・・と、同じ結果をビックリ!しながら振り返っています。


農林水産省の定めるソバ(普通ソバ)の検査項目と基準

先ず、栽培上の昨年との大違いだった事を記します。
昨年は、蒔き時の雨・雨・雨で畑に入れず、種蒔きが延び延びとなり・・・もしこれでダメなら蒔き直しが出来無い・・・と心配した・期限ギリギリの9月12日・13日でした。
「ソバは75日」と刈取の時期について言われますが、その日は11月の28日です。
早い年では10月の後半に霜が降りることも有り、収穫できないかも!?・とヒヤヒヤでした。
安堵したのは、やや遅めの霜降・11月の中盤で、有り難い事に全面真っ白では無く、部分的な霜降が2度ほどあり、何とか期日(播種後75日目の11月28日)まで持ちこたえてくれてからの刈取りとなりました。
この時は、開花から充実の黒化までの過程も絵に描いたように順調で、畑を眺める度に「最高の実であろう!」と順調な生育に満足していました。
この年の穀物検査(容積重)、最高値「724g/L」の結果に、予想通り!っと納得でした。


昨年の検査表です。

 今年は・・・。
ここ数年、ソバは連作障害は無いと言われるのに何故?・!の思いが強くなってきており、対策として、ほんの少しですが発酵鶏糞を追加しました。
そして、播種の時期を盆前後の雨間と定めて、天気予報を注目していました。
8月10日には台風6号が発生し、10日に7号、12日に8号発生と続きました。
そして・・・隣の関市では避難指示が出る大雨。
今年も盆には蒔けません。
19日に県下に竜巻警報が出ましたが、連日の高温で、毎日のように雨が降っても、直ぐにトラクターが入れるくらい迄畑は乾いてくれました。

水捌けの悪いところは、これまでに見たことのないほど酷い部分もありました(泉の様に湧き出ていた)が、大部分は田圃のようでは無く畑の状態で、種蒔き強行!と決断出来ました。


斜面の畑なのに・・・こんな状態・まるで田んぼ!?の
所もありましたが、強行播種です。

 20日には、南海上に熱帯低気圧が出ましたが、翌日・定休日(8月21日・月曜日)、朝食を急いで取って、蒔き直し覚悟!っと飛び出しました。
有り難いですね、この時期は、7時過ぎまで明るくて作業が出来ます。
1面を翌日に残しましたが、目標の盆前後に、何とかギリギリで蒔ききりました。
すると・・・こんな事は初めての経験ですが、24日・木曜日に発芽が始まっています。
夕方には出揃いました。


何と・何と・・・3日で出揃いました。
天敵・ハスモンヨトウムシのトラップを付けて対策は万全!・?。

 ここら辺りでの秋ソバの発芽は、通常、播種後4日で一番芽が出て5日目には出揃いますが、たった3日で出揃ってきたことは、24回目のソバ栽培にして初めての経験でした。
土中水分が多かった為なのか?、それとも連作障害対策に!と考えた追加肥料が効いたか?、理由がわからないので、来年も、追加施肥を注視してやってみようと思っています。
雨の被害で発芽の遅れている畑は、やっぱり芽が出来ないので、29日に蒔き直しを行いました。
酷い年は、全面蒔き直しとなる事もありましたが、今年は、有難い事に3面の畑で済みました。
でも、未だ未だ安心は出来ません。
安心なのは、雨に叩かれて冠水しても、昨年の9月13日までは十分あり、未だ蒔き直し対策が取れるからです。
が、やっぱり・・・雨毎(特に今年は短時間豪雨が多かった)に腐って行きます。


発芽直後のソバ(双葉の時)は、
冠水で腐る様に消えて行きます。

播種直後の発芽率はまずまずでしたが、成長率と言うのか?この時期は雨が多いので被害は大きいです。
更に毎年の事ですが9月は台風、特に今年は温暖化で多くなると天気予報に脅されていましたが、何と何と2つだけ。
しかも、この地域は避けてくれました。
が、代わりに?激しい雷雨が何度もあり、追加の肥料が効いて勢いよく育ったソバは・・・倒れました。
10月に入っても、なんと夏日が連続、激しい雷雨も収まらず、倒伏も3度目です。
流石に・・・倒れたソバは草の中に隠れて行きました。
とは言え、全体的には先ず先ず順調でしたが、あれ?変だなぁ~!と感じたのは10月の末になっても花が咲き続け、実も黒化してきません。


10月28日撮影・まだ満開

黒化率0%?!(異例でした)

 上記の写真は、播種後68日目のソバ畑で、未だ満開?と思ってしまう程でソバの実が黒くなってないのです。
丸で・・・4月に種を蒔く春ソバの様に、花が次々と咲き続けているのです。
異常気象、植物は敏感に感じ取って行きますね。
11月になって、予報では霜降の始まる朝の気温の4℃もありましたが、その日が近づいてくると6℃や7℃となり、霜が降りません。
が、ソバは晩秋を感じたのか?11月に入ると・・・やっと黒化し始めました。
あれ・あ・れ・れ・・・播種後80日の11月9日になると、ソバの実も急速に黒化し、実も丸々として来ました。
未だ霜は降りていませんが、大規模な倒伏が3回あり、その部分は草に覆われてしまったので、放置すれば朽ちるでしょう。
次の定休日(14日・月)の最低気温の予報が1℃と見た時に、この定休日かその次の定休日には刈取りをして欲しいと依頼しました。
倒れなかった半分位のソバは葉を落としており、霜降後2週間の昨年と同じ日まで待つと・・・流石にもたない(脱粒)かも?と判断して、霜に充てない刈取りをお願いすることとなりました。
刈取りを行って貰ったこの日は、播種後85日目で、今期最低の2℃でした。
その日から3日間、連続して全面(畑地まで真っ白)の霜を見ました。


ソバ刈取りの朝、外気温2℃。

辺り一面の霜・一気に枯れて行きます。

ホッとしました。
さてさて・・・畑を眺めているのと、収穫して間近に見るソバの実では異なることがあります。
今年は、開花期間が長かったので、充実度は今一かなぁ~と予測していましたが、纏めて手にしてみると・・・まずまず・期待に応えてくれているように映りました。
黒化状態も・・・未熟色の実は殆ど有りません。
追記すると、収穫時(の機械設定)に「良い実のみが欲しいので、軽い未熟の実は飛ばして下さい」と依頼しています。


何と・な・ん・と・・・今年は飛騨市古川町から来て下さいました。
倒れていても・何のその!・土は全く混じりませんでした。

これに応えて頂けたこともあったと思われますが、それでも、収量がヒョッとしたら過去最高!?の期待さえ感じさせてくれました。


 収穫直後のソバの実。
予想外!?・充実しています。

 ソバ栽培は、何度繰り返しても分からないものです。
ソバに限ったことではありませんが、農産物は雨や風ばかりでは無く、気温や日照時間等気象条件で大きな違いが出てくるものだと思い知らされました。

坂祝町の認定農業者ではありますが、今ではソバ栽培だけしか行わないそばDa迷人には、高額すぎる刈取り機・汎用コンバインやソバの調整時の乾燥械を持っていません。
刈取と直後のソバの実の調整は、これらの機械を持っている方にお願いをしています。
石臼自家製粉を手掛ける手打ちそば屋が自家栽培に踏み切れないのは、先ずは栽培の手間時間の捻出が出来ない事ですが、これらの機械・設備投資にも莫大な資金が必要で、原材料となる蕎麦の実は、買い求めた方が遙かに経済的なんです。
そばDa迷人の場合も、自家栽培に関係する経費で契約栽培の方から買い求めた方が3倍以上の蕎麦の実が購入出来そうですが・・・。
時間も使う自家栽培だからこそ!と取り組む経験で得たものは。本当に掛け替え無いものばかりです。
良い物を作りたいと言う貴重な体験での収穫は、そば屋のオヤジのお金に変えることのできない貴重な財産です。
好きな事に、お金と時間を使わせてくれる愛する妻・チャーボーには感謝しかありません。
オッと・・・ソバ栽培で忘れてはならないのは、美味しくなる素材だけを手に入れたいので・・・と言う無理(刈取と最初の調整)を聞き入れてくださる協力者あっての事です。
この・美味しくなる素材・ソバだけを手に入れたがるそばDa迷人の依頼は・・・せっかく機械化した効率に反する一々やっかいなものばかりなんです。


 真そば流ソバ栽培編・改善策の中の1つ。
刈取直後に、機械からソバを出して貰い・混入した茎や葉を取り除き、直後の天日干しです。

 有り難い事に、真そば流・栽培編の特異な要望に応えて頂いています。


 栽培を開始した当初は・・・。
刈取り以外は、全て手作業でした。
 
開始当初は・・・こんな事も。
今は・少し機械化?・凄く楽になりました。

 全てが順調ではありません。
思い起こせば、最初に刈取りをお願いした時の事でした。
何十町歩とソバ栽培をしている人でした。
3年間お願いしましたが、「そんなこと言うならもうやらん!。他当たってくれ」と突然断られてしまいました。
依頼していた3年間のソバは・・・刈取り時を急ぎ過ぎて、ソバの実に草(葉や茎)の臭いが染みついてしまっていました。
この対策をと考えて、刈取直後の取出しと直後の天日干しをお願いしたのですが、激怒されたのです。
真そば流は、微かにしか感じられないソバの香りは、草の臭い(刈取り時の葉や茎を含む)が染みついては台無しになる!と考えているので、この方の怒りに従う事は出来ず、代わりが見つからなかったらソバ栽培終了!と決意して対策・他の方を探す事としました。


 
新そばに特別な香りはありません。
時に感じる草の臭いは・汚損粒です!

この新聞記事にも「そばに季節的な特別な香りは無い・・・」と抗議しましたが、返事はありませんでした。

 有り難いですね。
相談を掛けた友人の友人の友人・・・と巡って、理解して下さる方が現れ、4年目からもソバの刈取りをして貰う事が出来ました。
隣町の営農組合の方で、汎用コンバインは大豆用に購入した物でソバは初めてだとの事でした。
これが良かったのですね・真そば流の刈取り方の希望を話すと、「良いよ」と労を気にせず受けて下さいました。
残念ながら加齢・・・「80歳になる。後継者が出来無かったから来年が最後となるよ」と。
3年前の事で、又々慌てました。
が、この時は20年前とは随分違っていました。
あの時は、何も分かっていませんでした。
もっと美味しい物を得るため、つまりそばDa迷人は、手刈り天日干しの時代より機械化が進んだ今の時代の方が、より美味しい実を手に入れる事が出来る!と考えて、収量もある程度確保出来る機械刈取り・乾燥の方法に進みました。
手刈り天日干しそば・・・と聞くだけで美味しそうに感じてしまいますが、機械を使った刈取り・乾燥は、昔ながらの手刈り天日干しに味で勝てないのでしょうか?。
開店早々の頃、確証を得ていなかったので、茨城県の友人から手刈り天日干しの蕎麦の実を貰っていました。
が彼の手刈り天日干しは・・・良い実を得る為に労力を惜しまない!!と手刈り天日干しをしているのでは無く、単純に機械化していないだけでした。
そばDa迷人でさえ備えている水分計ですら、彼は持っていませんでした。
容積重、水分、異物穀粒、被害粒、異物等ソバの穀物検査の定義について全く関知していません。
何故、ソバの穀物検査の水分調整が16%以下と定められているのかさえ、彼は理解していません。
つまり・・・機械を使わない種蒔と収穫だけで、天日で干しても無調整・水分もバラバラ・・・異物混入、最悪のソバの実でした。
感ピューターや経験だけのソバ栽培では、良い素材にはなって行きません。
数年間貰って・・・、改善のお願いをしましたが実らず、契約更新をしない事としました。

農業の機械化は効率だけでしょうか。
収益性を考えると、効率化は絶対条件です。
しかし、もっと大切なことは、美味しくなる実、つまり良い実を得ることの方が、時間を少なく大量に得ることより大切だと思い、機械でこれは不可能か?を考えてみました。
米の場合は・・・専用コンバインを使用して収穫します。
これは、機械を買い求める人が多いので、米専用(米は穂先に実ることに目を付けて)機械が改良に次ぐ改良がなされ登場しました。
これは、刈取りの時間を短くするためは勿論ですが、収穫する時に、一緒に刈り取る茎や葉の青臭い臭いが染み込まない(汚損粒にしない)事に重点を置いて改良されました。
残念ながら・・・蕎麦専用の刈取り機は開発されていないので、どんな穀物も刈り取れる機械・汎用コンバインで行われます。
冷涼な産地に負けないソバ栽培を目指すことに加え、絶対に汚損粒にはしたくない!と考えました。
そんな訳で・・・効率を考えて機械で刈取り、一次調整を行うだけで次の方を探す気持ちにはなれません。
簡単ではないけれど、もし新たな方が見つからなかったら、ソバ栽培は止めよう・・・と、先ず決意しました(否、腹をくくった?かな)。
ソバ栽培20余年の経験で、最高の素材を見抜く目を養っていたことが、止める!(自家栽培卒業)と言う重大決意も、迷う事無くさせてくれました。
ただ、気になるのは・・・畑を貸して下さった人の事でした。
これ等の方の農地は、そばDa迷人が借りる前から耕作放棄地で、その時既に耕作を止めておられました。
再び草むら化さ!と腹をくくってしまえばそれまでですが、簡単には決意できません。
又、貸して下さった時から20余年が流れています。
何人かの方からは「買ってくれないか?」との申し出がありました。
後継者が無い現状(1代限り)では、借入金の必要がある高額投資は考えられない状況です。
何人もの方が亡くなり、相続人さんが分からない(知らない)所があります。
又、貸して下さった方が、入院や施設に入所中・・・。
これ等の方々の事を思うと、こちらが加齢や病でトラクターに乗れ無くなった時は仕方が無いが、「ありがとうございました」と単純に返すことは出来無い!と思っています。
そんな訳で、ソバ栽培を止める(農業を廃業する)事は、最悪の時の事として、次を引き受けて下さる方を探しました。
有り難いですね。
一寸離れた所で大きく農業をやっておられ、人望ある方に、「美濃加茂の周辺でソバの刈取りをお願いできる人を紹介して欲しいが・・・」と連絡しました。
「分かった。探したる。もし誰も無かったら、ワシが機械持ってくわ。心配せんで、こだわりのソバ栽培続けて」と二つ返事でした。
暫くして「他の業種でやってたんやけど、それを息子に譲って、農業をやると言ってる友達がいる。応援してやりたいから、彼に行って貰うようにするで・・・」と。
先ずは2年間、お願いできました。
今年は・・・天候不順(雨で種が蒔けず、その後の夏日続きで花が咲き続け)で、自分のソバの刈取りが全く出来ていないので、今年は彼は無理・・・と。
「安心して、誰も見つからなかったら、ワシが大きな機械やけど持って行くから。でも、あのくらいやと小さい方が良いから、ギリギリまで誰か探すで待っててや」と。
本当に有り難い事です。
今年は、岐阜県の最北・飛騨市の方にお願いして下さいました。


飛騨市から、刈取り機・汎用コンバイン到着
早朝に来て・夕暮れに帰って行きました。

 そばDa迷人のソバ作り(百姓仕事・栽培)は、こんな有り難い事の連続で続いています。

 閑話休題
ソバ栽培を取巻く環境も変遷を経てきました。
最初は、国の援助は全くありませんでしたが、いつ頃だったか?役場が認めた農家でソバを栽培している人にも穀物補助金が出るようになり、その後の改正で、正式な農業主(認定農業者)としてソバを栽培している農家が条件となりましたが、栽培振興金が出るようになっています。
これには、穀物検査を受ける事が条件です。
良い実(1等・2等)を作れば対象となります。
坂祝町の農業振興指定地域・深萱地区で、正式に農業委員会の許可を得て畑地(田圃を含まず畑だけに限って)を借りて耕作をしているのはそばDa迷人が最大であった事もあって、これを機会に「認定農業者」となりました。
補助金の継続支給が決まりました・・・が、実は、これは、こちらから特に希望したものではありませんでした。
やっぱり貰えるのは嬉しいのですが、借りた土地でお金を貰って・・・やっぱり気が引けます。
そんな訳で、この金額は社会還元しよう・・・と考えました。
ソバ栽培の一部を手伝って貰おう・・・と考えて、草刈りをしてくれる人を探しました。
出来れば、地元の人で・定年退職で職を失った人で・自分の都合の付く時間に補助金額を少し超えるくらいの賃金で・・・と思いを巡らせました。
有り難いですね、今は、定年退職後生まれ育った地に帰ってこられた方(亡くなったお父さんに畑を借りています)が、引き受けて下さっています。
そばDa迷人は、ソバ畑周辺の草刈りから解放されました。
今度はこの時間を有効に!と考えました。
チャーボーが担当してくれていた駐車場や庭、ブルーベリー畑の草引きに入ることが出来るようになりました。
チャーボーの空いた時間は・・・蕎麦パンや、蕎麦パウンドケーキ等蕎麦菓子作りに精を出しています。


 
蕎麦粉100%のパウンドケーキ。
この味はそばの里深萱ふ~どだけの味!っと自負しています。

 ここで得た収益は、そば屋の売り上げ増です。
本当に、有り難い連鎖です。


世界遺産・和食を代表する健康機能食品・蕎麦を
常食化「毎日一食の蕎麦」・蕎麦粉10割パンの提案です。
食べ物は、美味しい!が・条件と心得て。

 さてさて・補助金の話に戻して。
穀物検査ですから、農産物のランク付けがあります。
良い物を作れば、補助単価が上がり、等外となると貰えません。
例えば、基準の中に含有水分量があります。
14%~16%でなければなりません。
真そば流では、15%後半から16%前半までを希望していますが、16%を越えると等外となってしまいます。
ジャスト16%を臨んでいます。
又、刈取り後の調整も「16%ギリギリに!」とお願いし、乾燥方法も「加熱しない自然風乾燥で」とお願いしています。
加熱・・・誤ったものを含め、色んな教えが飛び交っています。
真そば流で大きな間違い!とするものに石臼の回転で出る摩擦熱や冷蔵保管する禍冷蔵等々が有ります(ここでの解説は割愛)。
収穫後の乾燥で、一番重要なことは、冷蔵庫保管してもカビの生えない水分調整にする事です。
次は、均一乾燥です。
斑無く乾燥するには、天日干しでは大変な作業ですが、殆どの場合、天日で干すだけ・・・で、均一乾燥無視!です。
機械式乾燥は循環させながら熱風を送り込みますので、これは機械の勝ちです。
が・・・やっぱり加熱です。
加熱は、ただ単純に熱い・熱いから成分変化・・・だけではありません。
現在温度から何度急上昇するかによって成分変化が起こります。
だから・・・そばDa迷人は、やっかいですが、年間保管する必要があるので、環境と同じ温度の風のみでの乾燥(時間がかかる)を希望しています。
そば打ちの熟練者・達人になると、その違いを感じ取っています。
こんな事から、ソバ専用の乾燥機が出来無いものかなぁ・・・と切望しています。
更にもう点、この基準は、真そば流の目指すものと同じ内容であろうと思っていますが、ソバの実の善し悪し評価(充実度)する内容と考えています。
「容積重」とい言う規定です。
リットルのソバの実の重さを量った時の数値(g)です。
ブラウェル穀粒計という器具を用いて測定されます。


参考写真(ブラウェル穀粒計・WEBより)

 現状の穀物検査(普通ソバ)では、1等が640g/L以上、2等が580g/L~640g/L未満、580g/L未満は等外となっています。
因みに令和2年の坂祝産ソバは699g/Lでした。
令和3年が667g/Lでした。
令和4年と令和5年が、同じ数字が724g/Lです。


 今年の検査風景

 724g/Lが著しく良い数字だろう?と思ったので、今話題の生成AIで検索してみました。
す・る・と・・・・何と・何と、マイクロソフトBardでは・・・。
「ソバの穀物検査で、容積重項目について、これまでの検査で、最高重量となったのはどれくらいですか?」と問うと。
「ソバの容積重の最高記録は、平成30年産に青森県で検査されたもので、712.g/Lでした。これは、平成27年産から適用されているソバの農産物検査規格で定められている容積重の最高基準である650g/Lを大きく上回る記録です。」
と回答がありました。
う・う・うん・・・。
平成30年以降の最高記録が712.g/L?、それまでは650g/L???。
もしこれが本当なら、凄い事ですね。
「えっ、不思議です。 私の昨年と今年のソバの穀物検査の容積重は724g/Lです。 最高値を超えていますか?」と続けました。
すると・・・。
「はい、あなたのソバの容積重は、これまでの検査で最高記録を更新しています。 平成30年産の712.g/Lを1.g/L上回る、724g/Lは、驚異的な記録です。 あなたのソバは、どのような品種で、どのように栽培されたのでしょうか。 もし、栽培方法や品種の情報を公開していただけるのであれば、ぜひ教えていただきたいと思います。 ソバの品質向上に貢献する貴重な情報になると思います。」と応えてきました。


これが間違いなければ・・・。
夢の日本を健康に!・貢献できるかも?
 やった・・・これは・ブーと鳴く家畜が木に登ったときの気分です。
否々・・・タブーと言われたソバ栽培に真逆な改善を幾つも加えて続けてきた真そば流ソバ栽培、認めてもらえたら、日本の常識を変える事になるかも・・・?と一人笑みがこぼれました。
先ずは、先般、74歳・最高齢者でありながら、地元商工会から案内のあった「チャットGTPビジネス活用セミナー」を受講した成果ありです。
そば好きを一人でも多く増やす事が夢のそばDa迷人ですから、美味しそば作りに繋がって行く真そば流ソバ栽培編の普及、いかに進めるか!?・考えてみようと思いました。

極めつけは・・・2度の降霜に当ててからの刈取り。

 穀物検査が終わって、坂祝産玄蕎麦がそばの里深萱ふ~どの倉庫・専用冷蔵庫に届きました。
これと契約栽培農家さんから頂く蕎麦の実も、一応の調整作業を済ませて納品して貰っています。
自家栽培を手掛けるそば屋さんでは、殆どが到着した玄蕎麦をそのまま石臼に投入して行きます。
※石臼投入前に、挽き割りと言って、歩留まりをよくする為の工程を行うことがありますが、この場合も、大抵の場合そのまま投入して行きます。
地方で誕生した手打ちそば(そば切り)が、江戸に伝わり、そこで、そばを食べる人が多かった事から、そばを更に美味しくしたいとの考えで画期的なそば打ち技法・江戸そば流技法が生まれました。
明治時代に入ると、調整段階で取り除く事の出来無かった異物(蕎麦殻に付着する汚れ物)を取り除くために、剥き実にする事が始まりました。
これは、蕎麦殻に付着した異物を、取り除く事が難しくて、そばを美味しくする最善の方法として考えられたものです。
それまでは、今の様な皮むき機は有りませんでしたので、石臼隙間を広げて強制的に皮を剥く(どちらかと言うと割る)大変手間のかかる作業でしたし、ゴミが取り切れていないので、そばは黒い物と言う思いが定着しました。
注目すべきは、更科そばの誕生説が、経済効果を考えた歩留まり率に捕らわれることなく、美味しいそばを目指して、いつも使っている蕎麦粉をもう一度篩って、その粉で打ったそばが美味しいと評判になり、それは何処のそば屋だと言うことになって、看板に「更科」の文字があったことから、色の白くて美味しいそばが「更科そば」と言われる様になって定着したのが始まりと言われています、
当時は、今の江戸ソバの様にそばの皮を剥く機械は無かったので、精々が玄蕎麦の挽き割りだったでしょう。
つまり、誕生当時の更科そばは、玄蕎麦のまま石臼製粉して得た粉を気に入る味になるまで篩いを掛けたものだったのです。
篩いの目を絞ってゆく事で、そばを黒くする原因の外皮に付いたゴミも取り除く事が出来たのです。
美味しいそばは、白い色をしていると言う事から、江戸そばは・・・そばを更に美味しく!と玄蕎麦の皮剥き機を開発しました。
剥き実の蕎麦の場合は、種皮を含めても挽き込んでも、ゴミが混じり込まないことからそばの色が黒くならないので全てを挽き込みます。
外皮の重さが約2割ですので、全部を挽き込む剥き実の時歩留まり率は、8割と言う事になります。
歩留まり率が良く・経済効果が高くて綺麗なそばになる剥き実使用が、江戸そば流の主体となりました。
そばDa迷人もそば屋オープン時は、蕎麦の皮剥き機を購入して石臼製粉をする計画でいましたが、どうしても剥き実を石臼で製粉した蕎麦粉では満足な味に出来ず、玄蕎麦を徹底的に綺麗にして、魔物が棲むと言う謂われを極めてみよう・・・と考えるようになりました。
真そば流のそばの味は、誕生の頃の更科そばに、更に手数を加えて、玄蕎麦の持ち味を徹底的に引きだそうと言う考えです。


1袋(22.5kg)にこんなに泥の塊が・・・。
これでも、再調整時です。
検査で、1個でもあったら「2等」以下なのに・・・。

 素材の持ち味を引き出すことが究極なので、素材選びが大変重要となっています。
坂祝町深萱の里で始めたソバ栽培、始める前は「温暖で肥沃な土地だから、美味しい蕎麦は出来んかもしれんな」と言われましたが、タブーと言われた真逆なことも改善方法として幾つも試し、ソバの充実度を測る規定・容積重で、生成AIから「あなたのソバの容積重は、これまでの検査で最高記録を更新しています」と知りました。
コロナ禍前の予定では、70歳から75歳の期間で真そば流の後継移譲の方法を探し、75歳から80歳で・・・具体的に後継移譲をして行くつもりでいました。
幾つかの後継移譲の方法探しを実践しましたが・・・慌てないこととしました。
充実度満点の玄蕎麦、今のところ坂祝でしか食べることの出来無い真そば流ソバの味・・・こちらから後継移譲の方法を探すのでは無く、必要性が高くなってくれば必ずオファーが有ると思う様になっています。
いずれにしてももう暫く、「真そば流で、日本を健康に、今再び・そばの味革命!」を夢に見て顔晴りま~す

そばDa迷人(そばだめいと)

 

夢とそばを楽しむ会

Meeting to enjoy dreams & soba

そばで日本を健康に!&日本を真の先進国に!と楽しい夢を見る会です。
会長さんや会計さん…お偉いさんは存在しません。いるのはそばの里深萱ふ~どのオヤジ・そばDa迷人が務める“用務員”さんだけ。
とにかく楽しい夢を描きましょう。