始まりました・・・そばDa迷人の・真そば流の美味しいそばづくりのための定休日の冬の作業です。
坂祝産ソバも・・・刈取り後の調整(乾燥・石貫・磨き)を終え、農産物検査を受けて(全部1等)届きました。
契約栽培農家からも、全量・届きました(同じく1等)。
製品として納めてもらっており、全ての行程を一通り終えているので、一般的には穀物用の冷蔵庫で保管して、そのまま石臼に投入して行きますが、そばDa迷人の真そば流は、更に美味しいそばづくりを目指し、石貫と磨きの作業を、自らの手で重ねます。
①右の石貫機
②真ん中の磨き機(中古中の中古の精米機)
③左の石貫機
①・②・③の順に作業して行きます。
写真は、先ず右の石抜機に掛けて、真ん中の磨き機を通し、再び左の石抜機に掛けているところです。
初日の今日は・・・10袋(225kg)出来ました。
年間予定量は約2tなので89袋。
未だ未だ・・・8日間かかります。
週に2回ある定休日をフルに使っても1か月かかります。
他にも定休日にこなす作業もあるので、そんな訳には行きませんので、2か月かかるかなぁ・・・?。
更に、石貫と磨き!これで終わりでは有りません。
この作業を、冬の時期に限っているのは、外気が穀物冷蔵庫の温度と同じくらいの時期だからです。
本日終わった10袋は、粉挽き場に移動しましたが、粉にするためではありません。
粉挽き場にある蕎麦専用の磨き機に掛けるためなんです。
その後、目視を含む最終石貫(実は、殆どが石では無く泥の塊)をして、又、この場所に戻ってきて、穀物用冷蔵庫で保管し出番を待ちます。
89袋・・・ここまでの作業が全てが終了するのは、ヤッパリ来年の3月末ですね。
何でこんなことを…。
地方で誕生した手打ちそば(田舎そば)が、江戸に伝わり、そばを美味しくする技法が開発されて、そばの味が革命的に美味しく変わりました。
江戸そばの誕生です。
つまり、江戸そば流は、美味しいそばを求めてスタートを切り、当時、技術的に難しかった玄蕎麦の異物(石・泥・埃・カビ等)除きが行われるようになり、田舎そばと一線を画して行きました。
その江戸そばは、今では(東京)、外皮に着く異物を完全に取り除くために、外皮を剥いた剥き実を石臼に投入する方法が主流となっています。
それでも・・・未だ未だ、そばは黒い色をした物!?と思われています。
本当でしょうか?。
否、江戸そばは黒くありません。
否・否・・・そばは、絶対!!に黒くありません。
先ず第一、外皮は、石臼でいくら引き込んでも、割れる程度で細かい粉にはなりません。
粗挽きの場合は、黒い粒で混じりますが、微粉の場合は、外皮では無く、外皮に付着した物が粉になるのです。
あの黒さの元は・・・異物なんです。
写真をご覧ください。
中古中の中古精米機で磨きをして落ちてきた異物・ゴミ(泥)
説明したくて…終了後に指で「ごみ」と記しました。
これが、江戸そば流が「田舎そばはゴミを食べさせる!」と嫌った異物なんです。
完成品として納めて貰った玄蕎麦ですが、再度やり直すと、磨き機(循環式精米機・中古中の中古が最適)から落ちてきた・微粉化した泥や埃の堆積です。
契約栽培農家さんから納めて貰った時に一通りの作業後なので、玄蕎麦は既に光り輝いており、外皮に泥や埃は見当たりません。
でも、このまま製粉すると、そばは黒くなります。
さて、何処にこんな汚れが・・・?。
顎の部分です。
実に着いて残った顎の一部(白い花に見えている部分、実は、あれは顎です)は・・・磨く程度の作業(ソバ専用の磨きはブラッシング)では・・・なかなか除き切れません。
そこで・・・工夫したのが、精米機の登場です。
しかも工夫は・・・中古中の中古を求めました。
それ以前には、新品も試しました。
やっぱり新品は凄い!。が・・・。
ダイソンの掃除機の様に、フィルターレスの集塵を備えている(魅力でした)のです。
下にゴミが落ちる事も無く、掃除にも楽ですが、蕎麦の磨き用には・・・残念・使えません。
新品は、刃(磨く)が立ち過ぎていて、固い米の精米は完璧でも、ソバの磨きには過ぎたる機能で、蕎麦の実が割れて壊れてしまうのです。
中古中の中古の精米機でも、入口は最小まで絞り、出口は最大まで開けて使用します。
あのピカピカに輝いていた玄蕎麦に泥の粉が着いて輝きが失われてきたら・・・蕎麦専用の磨き機に掛けます。
入口最小・出口最大でも壊れる実があるので・・・異物除去ばかりで無く、汚れの酷い年は(磨き時間が長いため)1割ぐらい減少する事があります。
製品として収まられた蕎麦の実でも、こんな事があるのが実情です。
この作業をしない事が普通なので、だから・・・未だ未だ黒いそばが売られている訳です。
今年は、台風の上陸が無かったため、汚れの付着も少なく、随分綺麗で、歩留まりも良いようです。
さぁ、始まったばかりです。
先ずは、今後の定休日は、1ヶ月半ほど掛けて、今日と同じ作業をします。
それから3月末頃まで・・・粉挽き部屋で、磨きと石貫作業を続けます。
もっと・もっと・・・そばを食べる(全国民が1日1食のそば食=健康寿命の延伸と食糧自給率の向上)様になったら、これに関する機械も開発され、楽になるばかりか、そばの味も飛躍的に美味しくなる・・・と夢に見ています。
だ・か・ら・・・大きな・大きな夢を育みながら、寒い冬に!顔晴りま~す。
(実は・・・71歳の老人には、23kgの蕎麦の袋は重くて・重くて・・・初氷の張った本日でしたが、汗をかいていました)