今ふたたび、そばの味革命コラム

Column

真そばの味研究所

二日続きの「滅茶苦茶・美味しい!」を考える

めっちゃ~・・・~!。
土曜日と日曜日のお客様に、「美味しい」の前に付けていただいた言葉です。

そばDa迷人は、趣味でそばを打っていた頃から(勿論今も)茹で上げたそばを一筋摘まんで食べています。
味の確認ですが、そばを更に美味しくするために欠く事の出来無い重要な作業です。

冷蔵庫で保管した蕎麦(材料の玄蕎麦)は、不思議なんですが夏が終わった秋口・新蕎麦が出回る直前の収穫から約1年経過して味が落ちると言われる時期に、新蕎麦以上に美味しい味を醸し出すのです。
これを「新ソバ戻り」と名付けています。

今年の新ソバ戻り、「ウン・これだ・これだ!」と感じていましたが、今年は・・・これに続いて更に美味しく感じる時がありました。
「滅茶美味い」と二日続きのお客様、同じ様にこれを感じて下さったのだろうと思いました。
不思議だ!と、粉を挽く時とそばを打つ時に記録したメモを眺めて原因探しをしました。
ウ・ゥ・ウ~ン・納得出来るものが見つかりません。
次の日の粉挽き準備にかかると、あれ?この玄蕎麦なんか違うぞ!?・少し重いんです。
穀物検査では「容積重」と評価されているものですが、その計測装置がないので180CCのコップを使って「ワンカップ重」と称して代用しています。


昨年の坂祝産蕎麦は・・・130g?

当初計測した2022年の坂祝産蕎麦は130gでしたが、この少し重いみたい?と感じた袋で計り直してみると・・・134gです。


ワォ~134gは、開店来の最高値です。

因みに130g以上は上々で期待出来ますが、100gを切る物は・・・そばの里深萱ふ~どでは使えません。
一度だけ、契約栽培農家に連絡を取り返品(交換でした)させて貰った事があります。
今回は、130gと134g、たった4gの違いが・・・こんなに大きいんだ!と痛感しました。
これ(134g)を使ったそばは・・・来週(10月の第2週)迄でしょうか。
これから挽く坂祝産蕎麦は・・・130gの上等品(10月の第3週からのそば)に戻っています。


因みに坂祝産蕎麦の親に当たる福井県の2022年産蕎麦は131gでした。

世間で評価の高い茨城県の常陸秋蕎麦(契約栽培農家)は112g、以前は120g台でしたが、ここ数年、ギリギリ使える判定ラインを推移しています。


残念ですが・・・名高い常陸秋蕎麦は112g

又、そばDa迷人のソバ栽培は、名だたる産地を意識して・・・これより美味しいそばになる事を意識して行っています。
その一環として、最高の実は麺用に使わず来年用の種にする事としています。
それは、契約農家さんから納められる蕎麦の実(自家栽培の蕎麦で刈取と調整を依頼する物も)は、一通りの石抜きや磨きの作業(水分調整も)を終えて納品されていますが、毎年厳寒の冬に、水分調整以外の作業を自分の手で再度行います。
その作業の中で、最初に行う石抜きの段階で、最高に充実した実を選び出して、次年度の種用に保管します。


再度の石抜きと磨き、厳寒の季節の恒例作業です。

これを23年間繰り返してきました。
これが最善か否かは分かりませんが、かつて一度だけ返品したワンカップ重100g割れの蕎麦の実は、この反対の実・乾燥時に風力で飛ばされる実を、もったいないから種に使かおうと行われたものでした。

余談になりますが、乾燥と言えば、そばの里深萱ふ~どのそばは、機械(汎用コンバイン)刈取りの機械乾燥蕎麦の実を使用しています。
つまり、耳に響きの良い「手刈り天日干し」では有りません。
開店当初は、茨城県から手刈り天日干しの蕎麦を貰っていましたが・・・乾燥にバラツキがあって、その後の対処では何とも出来ず、数年で契約解除させて貰いました。
手刈り天日干し・・・の響きは、イメージを駆り立てますが、そばDa迷人が実際に栽培体得して得た答えは、手刈り天日干しより機械刈取り・機械乾燥です。
詳細は・・・真そば流のソバ栽培編なので、もう少し企業秘密とさせていただきますが、先に記した開店当初の手刈り天日干しを契約解除した理由は乾燥斑による味への影響です。
天日干しでチャンと仕上げようと思うと、乾燥時の組み替えを行わなければ、日当たりや風通しで乾燥斑が起きてきます。
響きだけではなく、良い品質にしよう・・・と思うと・天日干しは、手刈りより時間のかかる大変な作業です。
だから・・・殆どの場合これを行わない、唯々天日での乾燥なんです。
契約解除させて貰った彼の場合は、機械投資をしない昔のままの栽培方法だったので、これに加えて水分計も使わず、感だよりでの乾燥終了でした。
水分計くらいは備えるとしても、大変な作業である乾燥時の位置替えは行って無い事が殆どです。
これだけで手刈り天日干しを全否定してしまうものではありません。
機械刈り取り・乾燥に勝る良い点もありますので、機械の場合は、これに近づける工夫が必要です。
そばDa迷人は、刈取りと調整をお願いしていしている方に乾燥用の風は、時間はかかりますが電熱を加えず自然風でお願いしています。
蕎麦の実を最大限充実させるために刈取り時期を遅らせ、自然風で均一乾燥の機械刈取り・乾燥は・・・手刈り天日干しに勝る状態となります。
未だ未だ他にも機械刈り取りの弱点もありますが、工夫次第で解決出来る事です。
手刈り天日干し、最良の機械技術が発展しても未だ未だ続く事でしょうが、これで出来上がったそばは、味より従事労力を評価していただくものだと考えます。
手刈り天日干しや名産地・ブランド品種・・・と言った耳や目からの情報でそばの味を決めるのでは無く、ブラインド試食時のように、美味しい・不味いは、自分の口で試して行きたいものと考えています。

そばDa迷人(そばだめいと)

夢とそばを楽しむ会

Meeting to enjoy dreams & soba

そばで日本を健康に!&日本を真の先進国に!と楽しい夢を見る会です。
会長さんや会計さん…お偉いさんは存在しません。いるのはそばの里深萱ふ~どのオヤジ・そばDa迷人が務める“用務員”さんだけ。
とにかく楽しい夢を描きましょう。