今ふたたび、そばの味革命コラム

Column

真そばの味研究所

新ソバより・美味しい・古古ソバ?

夢とそばを楽しむ会の例会「そば大楽校・1912講座」を開催しました。
毎年12月に行うこの例会は、ソバ栽培の指導書に、幾つも幾つも・・・真逆と言われる改善を加えて育てた「坂祝産ソバ」100%を使ったそばを試食します。
募集案内には、この試食のみを記しましたが・・・。
企画内容を充実し、種用に残していた「2017年産」のソバ(2018年産は、種として全部使用)100%を追加し、食べ比べる会としました。
つまり・・・2つとも坂祝産100%のそばですが、新ソバと2017年産だから、古古ソバの食べ比べとなった訳です。
但し、古古ソバは、選りすぐりの種用ソバです。

 

この日は、こんなレジメを準備しました。

 

実は・・・この年(2018年)は、量も質も・・・不作でした。
が、種用だけは、毎年、石貫機を使って、石と同じ比重、つまり最高品質の選りすぐりものです。
それを、穀物用の専用冷蔵庫で保管していました。
企画の段階から、新ソバ以上に、こちらが好まれる!と、確信していました・・・が?。
内心はドキドキ。
こちらが楽しんだかもしれません。
アンケート用紙を用意しました。
そばは、ブラインドで運び、三種類(新ソバ、古古ソバ、いつも店で提供する3種混合のソバ:いずれも2018年産)を食べて、「一番好みのそば」と「古古そば」の推測を、番号で答えてもらいました。
23名の出席者でした。
アンケートは、無記名方式でしたが、1名が提出を辞退されましたので、22名の回答です。
期待通り・・・「古古そば」を当てた方は12名。
「新そば」を「古古そば」と間違えた人が3名。
「2018年の3種混合そば」を古古そばと間違えた人が、7名でした。
概ね、見た目では新そばと古古そばは、判断できたようです。
そして・・・、ほぼ期待通り!と言うか、10名の方が「古古そば」が一番口に合った!と答えてくれたのです。
「新そば」と「2018年の3種混合そば」は、6名ずつの同数でした。

 

提供の順番1番目(新)2番目(古古)3番目(ブレンド)
古古ソバは?12
一番好みは?10

新ソバ好みは・・・3割弱に止まる

ボクとチャーボーは、半数近くが古古そばが美味しいと答えるはず・・・と予測していました(事前の試食で、古古そばが、秀でて美味しかった)が、集計したこの数字を発表すると、会場は響めきました。
古古そばと予測して、これが美味しい!と回答した方からは、拍手もありました。
新そばがもてはやされたのは、冷蔵庫のなかった時代の梅雨期以降だったこと、それ以後の新そばPRは、年越しそばと同じで、多忙期の夏場から秋は売り上げが非常にダウンするための客呼び作戦・そば屋の陰謀であること。
余談ですが、年越しそばの風習は、昔から日本全国にあったものではありません。
白黒テレビが普及したとき、NHKの「行く年来る年」で、年越しそばを食べている風景が放映されたのが原因と言われています。
手打ちそばのなかったこの地域で育ったボク(古希ですから60年前)は、母に「今年はラーメンにしてよ!」と懇願した記憶がよみがえります。
閑話休題
加えて、「新蕎麦」そのものに規定が無いこと(収穫後どれだけ以内が新?、どれだけ混入させたら新?等)を説明させてもらいました。
そして、坂祝産の古古そばが美味しかった訳(選りすぐりの種用を、この日のために残したこと)を説明しました。
勿論、冷蔵庫(電気)が出来た昭和以降、新ソバ神話は終わっています・・・、あののぼり旗とともに、今じゃそば屋の作戦なんです!と力説して!・・・。
会場のお客様には驚きの発見だったようですが、そば好きの方々の集まりだったので、この方々に同じ味を感じてもらえたことは、独りよがりではなく、考えが正しい!と自信の持てる、良い機会となりました。

夢とそばを楽しむ会

Meeting to enjoy dreams & soba

そばで日本を健康に!&日本を真の先進国に!と楽しい夢を見る会です。
会長さんや会計さん…お偉いさんは存在しません。いるのはそばの里深萱ふ~どのオヤジ・そばDa迷人が務める“用務員”さんだけ。
とにかく楽しい夢を描きましょう。