今ふたたび、そばの味革命コラム

Column

そばDa迷人・ひとり言

№175 72歳・益々好きになります・妻・チャーボー!

いやぁ~暑くなってきました。
完全無農薬のそばの里農園のブルーベリー畑では、33本の木が、一斉に実ってきます。

コロナ禍で・・・滞っています「そばDa迷人・ひとり言」
久しぶりに・175号を書きました。

このブルーベリーは、そばDa迷人では無く、女将のチャーボーが「私も何か作ろっかな?」と始めたものです。
ところが・これが・・・大変です。
一番は、機械が無く、全てが手作業です。
そして、実りの時季が、若干のズレはありますが、ほぼ一時集中・一気に実ってきます。
しかも、大粒でも500円玉や10円玉大の物は希で、1円玉(2cm)程度です。
つまり、暑い時期に、集中的に、小さな実を1粒ずつ収穫しなくてはなりません。
これだけでも大変なのに「食べ物は美味しくなくては始まらない!」と考えるチャーボーの収穫方法は、完熟型だけ!に限っています。
先の方に・・・少しだけピンクが残っていても、収穫後の選別で、実での販売には回されずジャム用に跳ね出されます。
これを見分けて収穫する・・・黒を選んで取るだけでは無く、収穫時に、枝毎ひっくり返して、1つ・1つ確認しなくてはなりません。
時間がかかること・かかること、暑いし・トホホ!です。
そんな訳で、愛するチャーボーを放っておけず、ほぼ同じようにブルーベリー畑に出ています。
跳ね出す・・・と表現しましたが、ジャム用の説明を加えますと、実は完熟型の甘い実をジャムに仕立てると、完熟だけに果皮が固くなっており、ジャムになっても、これが残ります。
その点、若干のピンクの入った若い実は、皮は柔らかくジャムにした時に気になりません。
しかも、若いと酸っぱいので、ジャムにした時は、この酸味が生きてきます。
つまり、実のまま食べるなら、甘さが加わってきた真っ黒な完熟型ですが、ジャムに加工するなら、皮が柔らかくて酸味が残るピンク色の実が適している訳です。
因みにチャーボーは、完熟型が売れ残ってしまうと、ピンクの実とは別仕立てでジャムにします。
皮の部分が残っているので、コンフォートとして加工し、瓶詰めします。
余談ですが、この日は「ブルーベリー、もう無いの!?」と何人かから言われました。
今年は、実で売れてしまって・・・?、コンフォートには不足気味?、捕らぬ狸の・・・何とやらですね。
どちらも、ブルーベリーと三温糖だけで、一切の添加物無しで仕上げています。
因みに、2021年7月10日の収穫の状況のメモです。
そば屋の営業終了後、片付けをして、チャーボーと2人で収穫に。
2人で6,450gを収穫。
日没まで収穫作業をして、その後翌日の準備をして、午後9時過ぎに帰宅し、夕食と家事等を済ませたチャーボーが選別開始です。
深夜12時30分になっても完了できず、就寝。
チャーボーは、5時に起き、選別開始しました。
6時15分に完了。
実のまま販売(完熟実)の実は、4,420g(68.5%)

プリプリの完全完熟の実。
翌日に・・・客室のみ!で販売です。

未完熟のピンクの残る実は、1,778g(27.6%)

何処が違う・・・?。
選別で跳ね出され、ジャムに加工される実・・・。

破棄の実・未熟実と過完熟の実等は、252g(3.9%)

あれ?完熟もあるんじゃ無い?。
跳ね出され、廃棄処分となる実です。

ここまでに、収穫に6時間、選別に3時間半、その後パック詰め等々で30分は必要でしょう。
10時間かかって・・・全部売れても1万3,000円です。
百姓って・・・割に合わない商売ですね。
こんな事から、完熟型と言って未だピンクの残る実や過完熟の熟れすぎた実が混入していても仕方が無いのかも知れませんね。
でも・・・チャーボーはこれに甘んぜず、自分が満足できる物を追い求めて時間を使っています。
ブルーベリーを詰めるカップも、「大深(OP-031)」と言うものを使っています。

「OP-031 大深新」・・・「深い」形。
チャーボーは、単なる「大」では無い形「大深」形を選んでいます。

上げ底どころか、普通の「大」では少ないからと「大・深」の深くて沢山入る物を使っているのです。
そばDa迷人は、72歳の老人ですが、ここまで配慮するチャーボーを間近に見て、益々好きになって行きます。

さてこんなチャーボーがこの日、もう一つの素晴らしい事をやっていました。
この前述のブルーベリーの収穫の前日(金曜日)に、「ブルーベリーで忙しくなってきたら、蕎麦粉パン(蕎麦粉10割)やパウンドケーキ(蕎麦粉10割)、蕎麦かりん糖(蕎麦粉10割)は止めとくね」と言っていたのに、「今日はパンを焼く・・・」と始めたのです。
そして、切ってみると・・・出来上がりが気に入らなかったようです。
「これ、ダメやった。発酵しすぎちゃってこんな気泡が出来ちゃった。売るの・止めるわ」と。
が・しかし、キッチリと袋詰めしているではありませんか。

蕎麦粉100%のパン。
折角焼き上げましたが・・・チャーボーの検査に不合格!
販売できません・・・でも、美味しい・・・!。

土曜日のことです。
出勤してきたパートさんに「今日ね、蕎麦パンのところに『蕎麦パン有ります』と書いてあるので、聞く人が有ったら伝えて。昨日失敗しちゃったんで、売るパンは無いの。そう言って尋ねる人は、初めての人じゃ無いから、事情を説明して失敗したパンを持っていってもらうから、お願いね。もし残ったら、1個ずつ持って帰ってね」とやっているではありませんか。
勿論、ボクも食べてみました(以前から、朝はパン食だったボク達は、今は毎朝蕎麦粉100%のパンです)。
口に入れた時の食感が若干違いますが、素材が全く違わないからかなぁ?、味は、いつもの様に美味しいかったんです。
例え味が同じでも?、自分の納得出来ない物は売り物にしない!。

これでなくちゃ・・・ボク等の毎朝の蕎麦粉100%のパンです。

世は、未だ未だ続くコロナ禍、飲食店は大変な時期でしたが、72歳のそばDa迷人は、コロナワクチン接種の直前に、何気ないチャーボーの行動に惚れ直し、益々好きになって行きます。

そばDa迷人拝

夢とそばを楽しむ会

Meeting to enjoy dreams & soba

そばで日本を健康に!&日本を真の先進国に!と楽しい夢を見る会です。
会長さんや会計さん…お偉いさんは存在しません。いるのはそばの里深萱ふ~どのオヤジ・そばDa迷人が務める“用務員”さんだけ。
とにかく楽しい夢を描きましょう。