1週間の営業を終えて夕食を取り、久しぶりにノ~ンビリとテレビを見ていると・・・。
チャーボーが「やっぱり出て来た・・・」と。
「何が?」
「ほら、銅のおろし金」と。
2月20日(日)午後9時・中京テレビ(日本テレビ系列)・「行列の出来る相談所」の今回のテーマ「日本一高い物」の日用品コーナーで最後に登場でした。
埼玉県和光市の大矢製作所さんの銅製・打ち刃(手彫り)製品です。
もう30年近く前からになりますが、趣味でそばを打っていた頃から愛用しています。
当時は・・・お小遣いが財源なので1本でしたが、今は奮発して3本、時々目の打ち直しをして貰うために増やしました。
日本一高価なおろし金(大矢製作所産)
そばの里深萱ふ~どでは、わさびおろし専用使用。
余談ですが、大根おろしの目を止めて、両面ともわさび用仕上げにお願いしています。
テレビの放送は、大根をおろして、市販の物でおろした物と食べ比べて「わぁ~直ぐに分かる。甘さが違う!」と。
そばの里深萱ふ~どでは、おろしそば用の大根は、これではおろしてはいません。
理由は、おろしそばは大根のおろし汁だけ、つまり甘さが必要なおろし和え用ではなく辛さを際立たせています。
では何に使用・・・?。
答えは、わさび用です。
わさびも大根と一緒で、細かくおろせば、細胞が傷つき辛さが際立ちます。
ここで注意したいのは、よく言われる鮫皮のおろしでは、ネットリと細かくおろしてしまうため辛さが際立って来ます。
これでは・・・最近では殆どの寿司屋さんが使用するようになった辛さが際立つ溶きわさび(西洋わさび=ホースラディシュ混)と変わらなくなってしまいます。
そば屋のわさびは、箸休め用です。
辛いばかりでは、単なる薬味用。
つまり、そば屋のわさびは、寿司屋のネットリわさびでは無く、ザックリとおろした甘さが際立つ事が肝要なんです。
そう考えていた・もう30年も前に、大矢製作所の職人さんが、東京のデパートで行っていた日本の道具たち展の実演販売に見とれて、衝動買いをしました。
あの日の事をテレビを見て、昨日の事のように思い出しました。
さてさて、そのわさび。
そばの里深萱ふ~どのこれが又凄いのです。
わさびの産地と言えば長野?。
長野県は、昭和40年代の特産品振興で「そばとわさび」と投げかけて、既に名高いそばに加えたいとわさびを売り込み、定着させました。
が、し・か・し・・・ボクは、長野では無く、日本一わさび栽培の凄い場所!と思っている静岡県下田市から頂いています。
素材にこだわりたいそばDa迷人は、仕入れ先の現地を訪ねています。
下田市の土屋わさびさん・・・兎に角凄かった。
それまでは、長野県の大王わさびさんの近代的な栽培所に感動していましたが、土屋さんのわさび園に案内して貰い大感動したのです。
土屋さんのわさび園は、軽トラックさえ受け付けない(搬送用トロッコのみ)渓谷の急斜面です。
これまでに廃業して行かれる方の畑を譲り受けてやってこられた土屋さんですが、この険しさでは土屋さんの後継者は・・・現れないのでは?と感じました。
これこそ日本の原風景、そこで手を抜かずコツコツと端正な少量・手作りです。
本わさびは、辛いばかりじゃ無く・上手におろしたら甘い!。
そばの里深萱ふ~どでは、注文を頂く度に、大矢さんのおろし金で土屋さんのわさびを擦ってお出ししています。
良い物を、理に適った使い方で仕上げたわさびは甘い!を美味しいと感じて貰えたら嬉しいです。
そばの里深萱ふ~どは、こんな方々に支えて貰いながら、素材の持ち味を最大限引き出す方法を極め続けています。
更に顔晴りま~す。