「満開」のお知らせを書こう・・・とキーボードを叩いていましたが、時間経過(書きたい事がありすぎて)実り始めています。
が、もう暫く花も楽しめそうです。
是非どうぞ。
そば屋のオヤジになる2年前だから・・・そば屋の予定地の周辺の休耕畑を借りた27回目のソバ栽培が始まっています。

満開となりました(店の駐車場より)。
今年は、種蒔き前が異常な高温日照り続きで畑はカラカラ、トラクターで数回の施肥作業(耕起)をすると、舞い上げた泥埃で、シャツの下・肌まで真っ黒!・大変でした。
ところが何と、種を蒔くと・・・その日から雨が降り出し、発芽と共に局地的な大雨が有り、一番心配した発芽して双葉の段階での冠水・こうなると溶けるように腐る・を繰り返しました。
あ~ぁ又全滅?・蒔き直し???(昨年も全面蒔き直し)。

豪雨で冠水です。
持ち直すか!?・三つ葉が出てからの冠水?。
これは何度も経験していることなので、覚悟はしていましたが、対策として、今年は、有機肥料の施肥回数を例年より増やしていました。

米用の肥料ですが「有機アグレット666」他・・・。
すると・・・効あり?・今年は冠水しても何とか持ち堪えて育っていたのです。
やった・・・と喜んだのですが、これ又初めての経験・蕾を持つまで成長したのですが、ありゃまぁ・ここまで大きくなって葉が枯れて行く畑が出て来ました。

写真で・分かります?
蕾が出たのに・・・枯れてゆきます。
ソバは水に弱い・・・双葉の時だけではなく・いつでも湿害(連作障害の様な酸欠)が起きるようです。
これが・・・ドンドン広がって行き、遂に、例年だと冠水して直ぐに消えるように腐ってしまっていた畑が、今年は花を持つようになってから消えて行きました。
初体験の貴重な経験ですが、これは・・・実は大変な事なんです。
その理由は、この時期になってしまうと、もう蒔き直しが効かないからです。
いつもだったら、冠水してダメになったら、蒔き直し・昨年も一昨年も全面蒔き直しをしていたのですが、ここまで期間経過をしていると、「ソバは75日」と言われ・種蒔きから75日もすれば収穫出来ると言う・育成機関の短い植物なんですが、今となってはもう蒔き直しが・・・出来無いのです。
蒔き直しを覚悟して種は余分に持っていますが、刈取り時期には降霜が有るので収穫時期を伸ばす事が出来ず、蒔き直しはもう無理なんです。
予測出来無かった今年の現象では諦めるしか有りませんでした。
有り難い事に全面では無く、特に水捌けの悪い畑5面ほどがほぼ全滅となりました。
双葉冠水時の対策として施肥量を増やした畑の中で、水捌けの良いところは順調に育っています。
が・・・今年の坂祝産ソバの収穫は・・・減!・覚悟の上となりました。
枯れなかった畑、これが・店の周辺なんです。
つまり・・・そばを食べに来て頂いたお客様には、見事な満開を・お楽しみ頂けます。
蜜の香りも漂っており、ミツバチの飛来があり・午前中は、羽音コンサート?が楽しめます。

ソバは他家受粉
独特な香りで昆虫を呼び込みます
秋のソバは・・・早い変化で実りを迎えて行きます。
そばDa迷人の真そば流・ソバ栽培編は、「手刈り天日干しより、畑で極限の完熟と手数を掛けた機械刈取り」です。
予断になりますが、満開を迎えたある土曜日のお客様が「今日のそばは一段と美味しい。こんなそばは他で食べたことが無い!」と絶賛してくださいました。
その翌々日?には、「10割そばの概念が変わった・・・」と言って下さる方も有りました。
この訳け?・種明かしです。
ソバの栽培は、大変厄介で、気候の影響をもろに受けます。
発芽時の大雨だけではなく、開花後でも、台風襲来など強風や大雨で簡単に倒伏してしまいます。
収穫時期に近いと・・・持ち直せずに枯れて行きます。

収穫近くになっての倒伏は・・・収穫ゼロとなることも
そば屋が自家栽培の蕎麦だけを原材料にと限定していたら、収量の少ない年は・営業が出来無いのです。
そんな訳で、そばの里深萱ふ~どでは、危険分散として2軒の農家さんと契約栽培をお願いしていました。
坂祝産の収量が見込めない時は、この2カ所に追加のお願いがしてあったのです。
実際に、この25年間で、坂祝産ソバが予定数量分が穫れ無い事を何回も経験してきました。
何とかここまで(25年間)・・・2軒の契約栽培農家さんの有り難い上乗せ援助が有って臨時休業無しで年間営業が出来ました。
実は・実は・・・昨年、この2カ所の内の1軒と、契約を満了としました。
1年間営業する為に何が何でもその分だけの素材を確保したい!と言う考えを・・・光輝幸齢者となったのを機に、少し変えたからです。
収量が少なくなり、契約栽培中の農家さんにも追加のお願いが出来無い場合は・・・その時はその時、使い切ってしまった時点で「長期臨時休業止む無し」の考えです。
そば屋をやろう・・・と決めた時に「いつまで?やる」と終わりの時期についても予定していました。
まぁ70歳くらいだろうなぁ~・20年出来たら最高だろうなぁ~だったんです。
70歳を迎えて20年近くになった時、体力の衰えと言うか・これまでとは違う加齢的疲れやすさ?を感じるようになりました。
やっぱり・・・予定通りに閉店か?。
ところが、年を重ねるに従って?と言うか、体力の減退とは反対に夢だけは未だ未だ大きく育っています。
それに、否・逆に、そば屋のオヤジで生涯現役こそ最高の健康維持策と思うに至りました。
今の健康維持こそ光輝幸齢者の若さの秘訣、その具体的な最善策は、定時起床と少し義務的(負担の少ない程度)にやる事(仕事)がある事と心得たのです。
しかしながら、自家栽培と石臼自家製粉のそば屋のオヤジは、この歳では大仕事?玄蕎麦袋(23kg)を担がなければなりません。
生涯現役を希望しても、体力の減退は遅かれ早かれ・・・避けられません。
種用のソバ袋を入れると冷蔵庫に100袋。
これを、作業毎に、3つの冷蔵庫間を担いで移動です。
自家栽培・自家製粉・手打ちを旨とするそば屋のオヤジには・・・加齢なる変身で体力を落とすことは・・・閉店を意味するなぁ~と感ずるようになりました。

客室から見えるログハウスの冷蔵庫に、1年分の玄蕎麦が入っています。
規模縮小は避けて通れず、いずれ来る閉店の時期は・・・この力が無くなった時かな?と話しています。
何かの事態が起きても慌てる事無く、光輝幸齢者の健康維持には生涯現役が一番の対策との考えを強めています。
何が起きてくるか?想像できない事ばかりだろうから、その時は例え規模縮小(定休日や臨時休業を増やす)をしても、やれるところ迄・一緒に顔晴ろうなぁ~とチャーボーと2人、話し合っています。
さてさて坂祝産ソバ栽培の話しに・閑話休題・・・こちらも当初とは大きな変化が起きています。
ソバ畑は、店の開店を予定した周辺の耕作放棄畑を農業委員会の認可を得て借りました。
割愛しますが、その制度(国の方針)も大きく変化しています。
又、当時貸してくださった方々も・・・今では多くが天国暮らしとなり・農地の相続人が誰か分からないところすら多いんです。
つまり、月日の経過と共に、貸して下さった方にも、あの時以上に農地の維持に無理があるだろうなぁ・・・と容易に想像出来るのです。
加齢なる変身で、確実に体力は落ちて来ていますが、逆に・出来るところまで借り続けなければ・・・の思いを強めています。
又、坂祝でのソバ栽培は・・・経営面からだけで考えたら直ぐに止めた方が良いのです。
自家栽培を止めて、仕入れた方が、経費は半分以下どころでは無いのです。
それに、施肥や種蒔きに刈取り、畑や周辺の草刈り等々・大変な手間暇は・・・お金への換算をしていません。
ソバ栽培をやって良かった事は、玄蕎麦を見てよだれが出る?大袈裟では無く・素材を見て味を予測する目が出来た事・掛け替えのない収穫です。
折角経費をかけて・手間暇かけて、自分で栽培するのだから、名だたる産地の蕎麦より美味しいそばの出来る素材を手にしたい!の思いを強め・我流を極め続けて(タブーと言われる事への挑戦も)叶ったものです。
我流極めの具体的な内容は、ここでは割愛しますが、そば打ちと同じで一般的な栽培の教えの真逆な改善策を幾つも試しました。
これが・・・想定以上の答えを出してくれて、坂祝産ソバは、今じゃあ無くてはならない素材となり、今回の様に・自己満足に終わらない答え・食べて、同じ様に感じて貰える方の出現となりました。
し・か・し・・・誰をも例外無しに、加齢の波は押し寄せてきます。
つまり・・・いつの間にか光輝幸齢者になってしまった・・・と振り返っているそばDa迷人は今・終焉の時も確実に忍び寄っているんだ!と感じています。
少なくとも、23kgの玄蕎麦袋が担げなくなったら・・・ソバ栽培は完全に終わりでしょうし・自家製粉もままならないと予測しています。
その時はその時・・・慌てない様にしなければ!と、最後の最後の夢も描き始めています。
今のまま生涯現役の生き方を貫けば、この体力は、後数年は何とか維持できるかな?。
いずれにしても、坂祝町深萱で可憐に咲くソバの花の風情、先が見え始めています。
「後期」・「高齢者」なる言葉は、これを確実に意識させました💢
真白で爽やかなソバの花の光景を目に焼き付けて頂けたら・・・有り難い・幸せです。

店もこの10月(2025年)に25年目を迎えます。
「後期高齢者」なる文字を「光輝幸齢者」に置き換えて・・・そばDa迷人夫婦は、加齢なる変身を極力遅れさせて現状の維持に努め・ソバ(栽培)・蕎麦(石臼製粉)・そば(手打ち)との関わりを出来るところまで楽しみながら顔晴りますので、もう暫く・宜しくお願いします。