今ふたたび、そばの味革命コラム

Column

真そばの味研究所

真そば流・ソバの刈取・始まりました

いや~ぁ驚きました。
今朝(11/15・日)、いつものようにそばを打っていると・・・何やら外が騒がしい!。
何だろう・この音?。
そば打ち部屋にまで、玄関前のソバ畑辺りから聞こえてきます。
気になって・・・そば打ちが一段落したところで覗くと・・・ビックリ・ビックリ・・・ソバの刈り取りが始まっているではありませんか!。
「オーイ・チャーボー。ソバ刈りが始まってる・・・」と伝えました。
ボクは・・・そば打ちで何も出来ないため、チャーボーが、行ったり来たりの大忙しとなりました。
例年、こちらの定休日(月・火)でやってもらっていたので、ボクは明日(11/16・月)を予定していたのです。

今年は・・・台風の上陸が無く・倒伏が殆ど無く・・・順調に

営業終了後駆けつけると「人の都合がつかんから15日にと言ったやろ!?」と涼しい顔のIさん。
3分の1位終わっていました。
その後、暗くなり始める16:30頃まで続き400kg位の量でしょうか。
ソバの実に、茎や葉の臭いが染み着くのを防ぐため、機械の中に刈り貯めしないで、頻繁に出してもらい、篩にかけて茎を取り除いて天日干しです。
明日、残りの分が同量位だとすると、昨年並みで、全国平均の70%位の出来です。
収量を減らしてでも美味しい素材を!と取り組むボクには上々でしょう。

22回目のソバ栽培、今年も又、色々学ばせてもらいました。
写真の天日干し中のソバの色の違い!、クッキリですよね。
これは・・・。
ソバは、雨に弱く、発芽直後の双葉の時に冠水すると、腐ってしまいます。
それが特に酷かった畑は、2週間後に蒔き直しました。
成長の違いが色に出ています。

本来のそばDa迷人のソバ栽培は完熟型(手前の色)です

委託刈取りなので、残念ながら合わせられません。
自前の機械ではないので、2週間後の刈取は不可能なんです。
どちらかに合わせなければなりません。
今年は、11月に入って急激に冷えてきて、既に霜が3度降りました。
週間予報では、明朝も3℃でした(霜降は4℃から起きる)。
完熟収穫希望のボクですが、4度の霜降は流石に減収です。
たった2週間違いですが、今年は、こんなにクッキリと目に映ります。

ソバ栽培の天敵は、倒伏となる雨風ですが、今年は台風の上陸がなく、恵まれました。
暑かったから?か、害虫のハスモンヨトウムシの発生も少なくてすみました。
完全無農薬ですから、農薬散布はしません。
代わりに、このヨトウムシのオスの成虫を一網打尽に誘き寄せるヘェロモントラップを仕掛けています。

今年の捕獲量は、多いところでも例年の半分以下でしたが、畑によっては、大発生時と同様に・・・ほぼ全滅(葉っぱの全てを食い荒らされる)でした。
しかし、食べられ方(被害)がヨトウムシとは違っているように感じました。
ヨトウムシだと、最後には花、時には若い実迄食べてしまいますが、今年は葉っぱが完全に無い!だけなのです。
しかも、ヨトウムシ発生の時は、約1町5反(15,000㎡)の畑が全滅しますが、今年は、隣の畑で被害無し?があり、不思議です。
刈取前の皮算用で、何とか期待量は・・・と多少の期待感が有りました。
つまり、今年は、ヨトウムシでは無い虫?が出た!と思わせました。
ソバは、本当に凄い!。
虫に食い荒らされて葉っぱが無くなっても、昼夜の気温差が大きくなるまで・この地方では霜降の時期までジッと我慢すると、丸々と充実した実になってくるのです。
感動的な植物です。

さて・さて・さぁ~て・・・今年は、大事件がありました。
そばDa迷人のソバ栽培、そば屋を始める2年前から始めました。
最初の刈取りの依頼先は、今のIさんではありませんでした。
3~4年、やって貰ったでしょうか。
どうしても・・・あの草の臭いのするソバになってしまっていたのです。
その対策を考えてお願いすると「来年から止めた!どっかでやって貰ってくれ!」とぶち切れで断られてしまいました。
困って・探して・・・出会った人がIさんでした。
Iさんは、こちらのお願いを快く引き受けて下さいました。
どこのソバ栽培農家さんもやっていない手間がかかるお願いだったのに・快く・・・感謝です。
あれから随分月日が流れました。
Iさんも80歳です。
Iさんの奥さんも・・・介護が必要となりました。
「今年限りで・・・出来ん様になった」と。
感謝の気持ちに変わりはありませんが、慌てました。
借りた畑ばかりなので、Iさんが出来んなら、ボクも70歳を超えたし、もう止めよかな?と結論を出せば簡単です。
が、貸して下さっている畑の持ち主さん、ボクより年上の方ばかりです。
中には、施設に入所となった一人住まいの方や、認知症の方・・・返すに返せません。
代わりを見つける努力無しに返す道は選べません。
何と「誰か紹介して貰えんかねぇ~」と相談を持ち掛けた友人が「分かった。ヤッタルわ」と。
「普通のソバ刈りでは無く、めんどう掛けますよ」と言うと、「わかっとる・ワカットル、あんたのそばの味を出すソバ栽培やろ」と。
感謝の涙が・・・胸の中でこみ上げていました。
Iさんにこの事を話すと、「良かったな。これ、使ってや。置いてくわ」と。
これとは、当初は葉っぱや茎を取り除く作業を、手で篩ってやっていたのですが、元大工さんのIさんが、何とか自動化・・・と考えて下さった電動選別器(篩)です。

ソバの実を下に落とし、茎などの異物は前方に(一手間掛けています)

「壊れてもイイから、否、あげるから使って・・・」と言って下さったのです。
この後、何年?のソバ栽培、否、そば屋すら何年出来るか分かりませんが、こうした暖かくて有り難い出来事をエネルギーに顔晴りま~す。

夢とそばを楽しむ会

Meeting to enjoy dreams & soba

そばで日本を健康に!&日本を真の先進国に!と楽しい夢を見る会です。
会長さんや会計さん…お偉いさんは存在しません。いるのはそばの里深萱ふ~どのオヤジ・そばDa迷人が務める“用務員”さんだけ。
とにかく楽しい夢を描きましょう。