暑い・暑い・・・あの猛暑の夏が落ち着き、朝の気温が10℃台となってきた日曜日のことです。
店の周囲のソバ畑では、ソバが蜜の香りを最高に醸し出していました。
長い間勤めてくれたパートさんの最終勤務日、交代の新人さんも加わって・・・スタッフだけでの賑わしい日(?)。
否々、このところ・・・パートさんにとっては、新型コロナ感染防止対策の仕事が増えて・・・ばかりじゃ無く、この日は、有り難いことにコロナ禍を感じさせない忙しい日でした。
そんな日の一段落した時の、お客様と女将のチャーボーのやりとりです。
「いつまでやるの?」
「?・?・?」
「年内のお尋ねにしては早そうだし?、コロナ?、それとも私たちの歳・あと何年?」とチャーボーが考えていると。
「もう少し大丈夫ですよね」
「あ・っ、はい・はい。出来るところまでやりたいと思っています」とチャーボー。
「よかった。未だ未だ・食べさせて貰えますね」と。
わざわざ、畑の真ん中のそば屋を選んで来て下さる・・・真そば流・そばの味に何かの違いを感じてもらっているのだなぁ・・・と思うと、有り難くて嬉しいエールです。
客室前のソバ畑・満開で~す。
ミツバチの羽音合唱と蜜香を楽しみ下さい。
が・この話を伝えてくれたちゃーボー、嬉しそうに話してくれましたが、何処か厳しい!。
それは「私もやよ・私も。だから怒らずに聞いてね。マーチンのそばも、未だ未だ一定化・安定してないもんね。太かったり、厚かったり、時にはランダム。だけど美味しいと言ってもらえて嬉しいね。でも、もう少し腕を上げんとね」です。
流石にちゃんとしたそば屋の女将、厳しい!。
実は・・・今日のそば打ちは「大満足!」と「反省しきり!」が混在したのです。
極めている真そば流、日本中のそばの味を革命的に美味しくした“江戸流”を基本に、改良に次ぐ改良を加えています。
真そば流のそば打ちは、「バン・バン・バ~ン」と手打ちです。
今回チャーボーが指摘した「太かったり、厚かったり、時にはランダム」は、江戸流では切りべら23と、1寸(3.03cm)を23本に切りそろえたものが一番美味しいと教え(切り幅が1.32mm・のし厚は1.4mm位とやや厚く)ていますが、真そば流は、この切りべらを27(1.12mm)と定め、目指しています。
これが・・・包丁どころか、のしの均一化まで・・・未だ未だ発展途上です。
鉢の作業で行う「水回し」が、やっと、加水(捏ね水の投入)が1回でドンピシャに出来る技を身につけましたが・・・均一のし!、未だ未だ上手く行きません。
1ミリ以下の精度なんだ!、やっぱり建設時に迷った石の打ち台!・やっておけば良かった・・・とボヤキ節です。
でも、上手く行ってる時もあるんだから、打ち台のせいではありません、やっぱり腕前です。
2.5Kg(蕎麦粉の量)で打つことが多いのですが、この日は、1回だけ1kgで打ちました。
流石に少量になると楽々、二重丸の合格品で、ドンピシャの伸し厚と切りべらでした。
練習を3kgで重ねれば、自信を持っての完成品(合格)は1kg?。
未だ未だ趣味の世界!の腕前?と反省しきりです。
5kgの玉で練習すれば、3kg位の量なら、スイスイ・楽々合格品が出来るかも知れませんね。
ただ・・・蕎麦粉100%のそばは、3.3kg位までは打てますが、それ以上の量になると、綿棒に巻き取り、持ち上げた時の自重で破れて落ちてしまいます。
3.3kgの限界打ちでも満足品を!。
こうした嬉しいエールに励まされ、もう暫く・・・顔晴りま~す。
(又いつか記しますが、江戸流の教えは「そばは小さく打って、かえしは大きく作る」。真そば流は、真逆の「そばは大きく打って、かえしは小さく作る」です。※興味のある方、そばの里深萱ふ~どのホームページの「夢とそばを楽しむ会・https://sobanosato.net/meeting/」をクリックして「入会」手続きをしてご質問(任意項目)下さい。)
嬉しい励ましと愛する女将・チャーボーの厳しい激励に、あと何年?かの元気を貰いました。
(2020/09/28)